インカレ準決勝2試合を振り返る
~決勝戦はともに2冠目指す東洋大と明治大の対戦に~

東洋大vs中央大戦

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

全国から32校が出場しトーナメントで日本一を決める全日本学生氷上選手権(インカレ)アイスホッケー部門ファーストディビジョン。12/24(土)は準決勝2試合が神奈川・新横浜のKOSÉ新横浜スケートセンターで行われ、東洋大と明治大が決勝へ勝ち上がった。その2試合をレポートする。

速さと強さを兼ね備えた東洋が中央の挑戦を退ける

2022 第95回全日本学生氷上選手権(インカレ)準決勝 第1試合 会場:KOSÉ新横浜スケートセンター
東洋大 5(0-0、2-1、3-0)1 中央大

第1ピリオド、中央の守りは堅かったが…

秋のリーグ戦では東洋に対して3戦して未勝利の中央は、ディフェンシブな戦術からロースコアの争いに持ち込み突破口を見いだす、というゲームプランで臨んだ。序盤それは成功し、東洋に何度もゴール前に迫られながらも組織だったディフェンスでゴールを割らせず、第1ピリオドはその目論見通りに0-0で20分を終える。

中央のその我慢が報われたのが第2ピリオドはじまってすぐ。種市悠人から沼田陸へと渡ったパックを沼田が見事な技術を見せてゴールへ叩き込み、待望の先制点が中央にもたらされた。このまま堅い守りを続けて逃げ切りたい中央に対して、東洋は「第1ピリオドから良い攻撃ができていたので、それを継続すれば問題ないと思っていた」(鈴木貴人監督)と決して慌てることなくアグレッシブなフォアチェックで中央にプレッシャーをかけ続ける。そのせいか、トラップが大きくなったりパスがわずかに繋がらないといったミスとは言えないミスが中央の選手に出るようになると、さらにペースは東洋側に。そして4分52秒、橋本寛太がついに中央のゴールを割ると、その27秒後に逆転のシュートを阿部泰河が決めて2-1。このあたり、ここぞというところで集中力を持った攻撃ができるのが今季の東洋の素晴らしさ。一気に試合をひっくり返して試合はラスト20分、第3ピリオドの攻防に。

東洋は阿部泰河が逆転弾を含む2得点の活躍(写真は東洋4点目のゴールシーン)

第3ピリオド、中央はペナルティーで1人少ないショートハンドのピンチをしのいだかに見えたが、ペナルティがあけるその瞬間に橋本が触ったパックがゴール前の攻防でDFの影に隠れて見えなかったのかGKが止めきれず、パックは無情にもゆっくりとゴールへ滑りこんでいく。この3点目が大きな転機となり、一気に流れは東洋へ。

東洋3点目の瞬間


3点目を許した直後に中央の八戸了監督はすぐさまタイムアウトを取ってなんとか反撃への糸口を掴もうと試みたが、流れは変わらず東洋がその後2点を追加。最終的には5-1と差を付けて東洋が勝利し、決勝へとコマを進めた。東洋のエネルギーあふれる攻め、攻撃の分厚さが目立った試合だった。

この相手とこのチームで対戦するのも最後。両キャプテンが試合後お互いを称えるシーンも

東洋大・鈴木貴人監督 試合後コメント

ー第3ピリオド一気に突き放しての勝利でした

先取点を取られてしまい、今季はそのような場面がここまで少なかったのでどうかなと思っていたのですが、選手たちが落ち着いてプレーを続けてくれ早い時間帯で逆転できたのはすごく大きかったと思います。

ー同点弾、逆転弾と連続してゴールを奪うことができたが?

第1ピリオドから良い攻撃ができていたので我慢強くそれを続けたことが良い結果に結びついたと思います。

ー決勝は、秋のリーグ戦に続いての優勝がかかる試合となりますが?

選手たちがものすごく努力をしてくれているチームが今季の東洋ですので、まず自分たちの力を悔いなく出し切ってもらいたい。選手たちが力を出し切るための準備を我々スタッフとして明日までにしっかりと整えていきたいと思います。

中央大・八戸了監督 試合後コメント

ー準決勝を振り返って

先制点は沼田陸がしっかりと持ち味を出して決めてくれましたし、第2ピリオドまではゲームプラン通りの展開に持ち込めていました。人数をかけて守るという形を徹底して取り組んできまして、戦術としてはもっと引いても良いくらいでしたが、選手の気持ちが前へ前へと行っていてチェックもしっかり掛かっていたのでそこは許容して、良い流れを掴めたと思います。ただ、第3ピリオドの決めるべきところでしっかり決めてくる東洋のスキルの高さ、決定力といった部分で差を感じました。力負けですね。

ー3位決定戦に向けては

ひと晩たてば選手の気持ちもしっかり切り替わってくると思います。2年連続でインカレ最終日に負けるわけにはいかないので、明日も精一杯戦いたいと思います。

明治が食らいつく法政を振り切って決勝進出

2022 第95回全日本学生氷上選手権(インカレ)準決勝 第2試合 
明治大 3(1-0、1-0、1-1)1 法政大

先制弾を決めた井口藍仁

第1ピリオド序盤、明治はパワープレーのチャンスを得ると、流れるようなパス回しから井口藍仁が見事に決めて先制。しかし、法政はそこから粘る。低く構える独特のスタンスでGK柏原瑞が明治の攻撃陣に対峙。シュートをことごとくはじき返せば、法政ディフェンス陣も身体を張ったディフェンスを連発。ブロックショットのたびに法政ベンチからは「ウォォ」という雄叫びがこだました。

法政のディフェンス陣は徹底的な守りを見せた

外久保栄次監督が「感動的だった。この試合でチームは一段上のレベルへ上がったのでは」と思わずつぶやくほどの守りを見せ第2ピリオド中盤まで1点でしのいでいた法政だが、明治は連続攻撃からGKを左右に揺さぶり、12分48秒に最後はゴール正面で待ち構えていた佐々木宥弥がたたき込んで2-0とリードを広げる。

明治・佐々木が貴重な追加点を挙げる

法政は第2ピリオド、第3ピリオドとパワープレーのチャンスを再三得るがラストパスの精度が低く決定的なシュートを打つには至らず。しかし、第3ピリオド5分42秒、パワープレーで全員がゴール前にラッシュして混戦を作ると最後は床勇大可が押し込んでついに1点差に追い上げる。

床勇大可のゴールで一気にボルテージが上がる法政ベンチ


その後も明治の猛攻をしのいだ法政は残り1分46秒で6人攻撃の賭けに。4回か5回ビッグチャンスを得るも、明治GK中村柊志綺がこれも素晴らしいゴールテンディングで立ちはだかり法政が同点に追いつくことを許さない。最後は明治・丸山詳真が右サイドフェンス際から狙い澄まして無人のゴールにパックを流し込み勝負あり。秋のリーグ戦で最後まで優勝を争った相手・東洋大が待つ決勝戦への切符を手にした。

明治GK中村柊志綺の奮闘を称えるチームメイト

明治大・中村直樹監督 試合後コメント

ー今日の試合を振りかえって

苦しい展開でした。法政も最後の大会と言うことで身体を張ってプレーしてきて、秋のリーグとは全く違う形でした。そこはさすがだったなと感じています。なかなか得点を奪うことができず苦労しましたが、展開としては試合序盤から我々がやろうとしていたF1、F2のプレスがしっかりできていて、それが速かったので相手ゾーンで戦えたことが一番良かった点だと考えています。第2ピリオドについてはFWの方向付けというのが上手くできていなかったのでそこを修正して臨みました。前の試合でもそうでしたが、第2ピリオドに反則が多くなってしまった点は課題だと思っています。

ーGKの中村を中心によく守りました

GK中村柊志綺については、なかなかコンディションがあがらないなかでも頑張ってくれ、この試合でもしっかりシュートを止めてくれたと思います。

ー決勝で対戦する東洋大について

ここまでシーズントータルでは2勝2敗、あすが最終の勝負になるのでぜひ優勝で終わりたいと思っています。東洋は試合序盤からどんどんプレスをかけてきてチェックの連続で来ると思いますので、第1ピリオドに我々がそれにどれだけ耐えられるかがポイント。第1ピリオドを0-0、せめて1失点くらいに抑えることができれば第2ピリオド以降、相手のスピードにも慣れて我々明治のペースにできるのではないかと考えています。1ピリ我慢、2ピリ3ピリ勝負、というイメージを持っています。

法政大・外久保栄次監督 試合後コメント

ー今日の試合を振りかえって

気持ちが本当にこもった、1人1人がチームのために犠牲をいとわないプレーが随所に見られた試合でした。私自身、選手に感動させられた内容だったことは確かです。1,2点をリードされるのは想定内。そこから差を広げられないようにゲームプラン通り試合を運べたとは思っています。

ー勝敗を分けた点は?

PK(ペナルティキリング)です。要らない反則というのが失点に繋がったことは否めませんでした。第1ピリオド序盤でのペナルティは痛かったですね。

ーリーグ戦時と比べて明治の印象は?

インカレということもあり、気持ちが入っていましたね。やはり強いなと思いました。ただ、今日に関しては気持ちの面ではウチ(法政)が上回っていたんではないかと思っています。選手を褒めてあげたいと思います。

ー3位決定戦に向けて

昨季も3位決定戦では中央大と対戦して勝利し、大会を良い形で終われたので今季も勝って終われるように。チーム全員で最後の試合を頑張りたいと思います。

春の選手権王者・明治大と秋のリーグ戦王者・東洋大が2冠をかけて激突

ここまで激戦が繰り広げられてきた2022インカレも12/25(日)が最終日。
KOSÉ新横浜スケートセンターで10:30から3位決定戦・法政大vs中央大、13:30から決勝戦・東洋大vs明治大の試合が行われる。

今季の大学アイスホッケーを締めくくるこの大会。大学王者ははたして東洋か? 明治か?
今から決勝戦が待ち遠しい。

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