2年連続・福岡でトップ選手が激突!『氷刃の乱2026』が熱く盛り上がった

福岡を舞台に、日本のトップ選手が終結。今年も白熱の3オン3が展開された 撮影:編集部

取材・文/アイスプレスジャパン編集部 写真提供/氷刃の乱2026、アイスプレスジャパン編集部

 今年もオーヴィジョンアイスアリーナ福岡に歓声と拍手がこだました。

 アイスホッケー3オン3の大会、『氷刃の乱2026』は6月6、7日の両日にわたって熱戦が繰り広げられ、大盛況となった。
 普段は海外でプレーするメンバーも含めて日本のトップ選手35人が勢揃いしたこの大会は、2年連続の開催となり、昨季からさらにスケールアップされたイベントに。土日両日とも観客席には多くのファンが詰めかけ、トップ選手たちのスピードとテクニックに驚いたり酔いしれたりするシーンも多く見られた。「推し」の選手タオルを掲げて声をからして応援するファンの皆さんの姿も実に熱かった。 

 そして、何よりそのプレーぶりから選手たちが一番この大会を楽しんでいることが伝わってきたのがなんとも良かった。主催者でもある平野裕志朗選手は「みんな参加選手が口々に『本当に楽しかった』と言ってくれるのは、自分としても本当に嬉しいですね。これだけの選手が協力して集まってくれ、やはり良い大会を作りたいという気持ちがまた湧いてきました」と満員の観客席を眺めながら話してくれた。

オーヴィジョンアイスアリーナ福岡の観客席は早々に埋まり、子供たちやファンの歓声が響いていた

 各チームのキャプテンがドラフト方式でメンバーを集めた『氷刃の乱2026』。手探りの部分もあった昨年の経験をもとに、今季は大会前のドラフトの段階から、キャプテンがそれぞれコンセプトを強く打ち出して選手を集めたためにどのチームも尖った特徴があった。それゆえに3オン3の試合では戦術の妙があったし、見る者の意表を突く意外性も所々に垣間見えて非常に面白い試合が続いた。

「選手自身も2回目なので、3オン3ならではのやり方も把握しながら、大会のベースにある『アイスホッケーをみんなで盛り上げようよ』という思いをさらに引き上げながら試合に臨めた結果がこういった盛り上がりにつながったのでは?」と語ってくれたのはイエローベアーズのキャプテンを務めた中島彰吾選手。中島選手自身もファンタジスタの異名に恥じない素晴らしいアシストパスやシュートを数多く生み出していた。

 大澤勇斗選手がキャプテンを務めたブルーシャークスは全員がセンタープレイヤーという構成だったし、佐藤大翔キャプテンのグリーンドラゴンズは全員がディフェンスという振り切りっぷり。試合の合間には普段ディフェンスの選手は行うことのないフェイスオフの練習を披露してくれるなど、特別なものを見たい、というファン心理をくすぐった。通常の5人対5人とは全く違う、3オン3ならではとなる選手のライン構成は、各メンバーの隠れた特長をも引き出し、観客を楽しませた。2日間にわたる大会の全8試合で生み出されたゴールは37点に及ぶ。観客も選手も一体となって盛り上がり楽しむ空間がそこにはあった。

選手たちも『思いっきり楽しんだ』。未来を見据えさらなる発展へ

 土曜日の予選計6試合の結果を受けて、日曜日は決勝戦と3位決定戦が行われた。
 3位決定戦はイエローベアーズvsグリーンドラゴンズ。ここまで勝ち星のなかったイエローベアーズの攻撃がかみ合い、5‐1で勝利し3位の座を手にした。

決勝戦は試合終了間際、大津晃介の劇的ゴールで決着!

 迎えた決勝戦はレッドライオンズとブルーシャークスの組み合わせとなったが、まさに日本トップクラスの技術がリンクでぶつかり合う展開は見ごたえ満点だった。
 越後智哉選手&平野選手のゴールで先行するレッドライオンズに対して、ブルーシャークスも所正樹選手、池田一騎選手のゴールで対抗し2‐2の同点に追い上げる。残り時間が着々と少なくなっていく緊張感のなか、残り37秒に決勝点を奪ったのが平野選手と大津晃介キャプテンのコンビネーション。試合終了間際、平野選手のアシストパスを見事なポジショニングから大津(晃)キャプテンが決め切った決勝点の瞬間、オーヴィジョンアイスアリーナ福岡は沸きに沸いた。

決勝戦でゴールを奪う大津(晃)選手。2年連続で”優勝決定弾”を決めた

 決勝点をあげた大津(晃)キャプテンは「土曜日の初戦で大敗を喫して……。そこからシステムを話し合ったり、本気でやっぱり勝ちたいので対ブルーシャークスの対策も練り上げたり。そのうえで決勝戦では内容のあるゲームができたので、本当に実りのある、すごく嬉しい優勝でした」と決勝戦を振り返る。平野選手のアシストパスも含めて、まさにトップ選手の凄みを観客に伝えてくれるような決勝ゴールだった。

清水怜選手(手前)とセレブレーションする大津(晃)選手

 平野選手は将来を見据えて、アイスホッケー界をより良い方向に変えるためのイベントに『氷刃の乱』をもっと育てたいという思いを話してくれた。
「来年はまたレベルアップした大会を作りたいですね。福岡のみなさんのおかげでここまで盛り上がる大会に育ててもらいましたし、将来的にはより多くのファンに僕らの試合を見てもらえるように全国展開にする、ということを考えたりもしています。本当に選手とファンが一体感を持って盛り上がっていましたが、そういった会場の雰囲気を5人対5人のアイスホッケーでも日本で作っていけたら、とも自分は思っています。ただ、単なる思い出とかだけにはしたくない。やはり今後、この『氷刃の乱』の取り組みが何に変わっていくのか? という結果を、ちゃんとみんなで作れれば良いですね」。

 日本のトップ選手が『アイスホッケーを盛り上げたい』との思いで福岡に結集した『氷刃の乱2026』。これだけのメンバーが福岡に集まったことこそが、この競技の未来を切り開くエネルギー源となっているのかもしれない。
 7月に入り2026‐27シーズンがまもなく始動する。所属チームに戻った選手たちが、それぞれのリーグで頂点を目指す戦いが始まるが、日本のトップ選手たちが少年のような笑顔でアイスホッケーに向き合ったこの”楽しさ”を忘れることはないだろう。新シーズンも各リーグにて、この“アイスホッケーの楽しさ”を選手たちは全身で表現してくれるはずだ。

コメント&フォトギャラリー

 ここからは、『氷刃の乱2026』に参加した選手たちの声をお届けする。また大会本部からお借りしたオフシャルフォトもお楽しみいただきたい。

大津晃介選手

「(決勝のゴールは)相手の裏をかいて、ポジションの奪い合いで良い位置を奪え、そこにパスが来て、あとはパックを流し込みだけでした。今大会、一度も決めていなかったので、最後にキャプテンとしての責任を果たせたかな。福岡という地域で、試合だけでなくスクールなどでも子供たちと触れ合うことで、ホッケー人口の増加にもつなげたいですし、またホッケーを楽しいと思ってもらえる人を増やしたいと思っているなか、それが実現できている良いイベントだと感じています。この大会の雰囲気は最高でしたね」

大会後に氷上で行われたファン交流会で笑顔を見せる大津(晃)選手。(撮影:編集部)

中島彰吾選手

「第2回の開催ということで会場の盛り上がりも素晴らしかったですし、僕たち選手自身も2回目ということで観客の皆さんにどんなプレーで魅せるか、や見せ場を把握しながらさらに試合レベルを引き上げながらプレーできた結果が、こういった盛り上がりにつながったと感じています。日本のアイスホッケー界のためになるなら、と思って僕らもやっているので、知っていただくきっかけにもなったり、明るいニュースをお届けできるようなイベントの1つだと思っているので、ぜひ今後も続けて盛り上げていければと思っています。僕自身もプレーしていて本当に楽しめました」

成澤優太選手

「豪華なメンバーで、本当にもう終始楽しかったです。代表でも一緒に練習で戦ってシュートを受けている選手も何人もいましたし、海外組も含めて多くの選手がすごいシュートを打ってくるのですごい良い刺激を受けながら、楽しくプレーできたと思います。こういう大会になると、また違う緊張感もありますね。最後にこの福岡で試合ができたということに本当に感謝していますし、こんなにもたくさんのファンが来てくださっていることを目の当たりにして、皆さんもアイスホッケーに対して熱い思いがあるということを実感しています」

同時開催のスクールで指導する成澤選手。福岡でトップ選手と触れられる貴重な機会に子供たちの目は輝いていた。右は磯部裕次郎選手(撮影:編集部)

三浦優希選手

「アジアリーグのシーズンが始まる前に、福岡の皆さんの前でプレーできたことも良かったですし、本当にご協力いただいた皆さんのおかげで素晴らしいイベントになったと思います。ファンの方からも『YouTube見てますよ』とか僕の発信に対しても声をかけていただいて、本当に嬉しく感じています。3オン3形式での試合でしたが、これだけの選手が結集したのは日本のアイスホッケーにとっても大きなことで、見ている方々もすごくワクワクする瞬間が大きかったんじゃないかな? と思うので、その一員になれたのは僕としても心から嬉しいですし、このイベントがずっと続くことを願っています」

平野裕志朗選手

「2年目を迎えて、本当に選手とファンが一体感を持って会場の雰囲気を作ってくれているのを感じました。集まってくれた選手のみんなには本当に感謝しかないです。選手発信のイベントで、これだけの形ができているのは業界全体にとっても良いきっかけ作りができていると思います。ただ、単なる思い出とかだけにはしたくないので、やはり今後、この『氷刃の乱』の取り組みが何に変わっていくのか? という結果を、ちゃんとみんなで作れれば良いですし、作っていきたいですね」

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