1/27ワイルズ会見【書き起こし】 ②質疑応答(前半)

取材・文/アイスプレスジャパン編集部

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※会見進行の説明や注意事項など内容に関係ない部分については割愛しております
※発言者の発言内容主旨がしっかり理解できる範囲での文字起こしを行っています。また、読みやすくするために内容とは関係ないところであえて不要部分をカットしたり、接続詞・語尾等を修正している部分があります。ご了承下さい。

東京移転の理由

司会:それでは質疑応答に移ります。質問のある方は挙手でお願いします。

記者A:釧路にアイスホッケーの灯を残すということで工夫しておられましたけれども、東京に移転する理由、何故東京なのか? ホームリンクの関係でしょうか?

岡本代表(以下岡本):先ほどの説明の中にもあったとは思うんですけれども、東京へ移し、それはまずは事業規模を縮小させるため。デュアルキャリアの採用によるチームが負担する部分の選手への費用削減。これは東京で活動した方が、選手の受け入れ先がたくさんあるというところ。それから繰り返しになるんですが、遠征費の削減。というところと、半年間、釧路市と交渉してきたそのなかで難しいと感じた。のが理由です。

記者A:ホームリンクは?

岡本:ホームリンクはまだこれについては現在交渉中です。

記者A:いつ移転するというのは?

岡本:選手との今季契約が3月までになっておりますので、やはりその4月、5月、6月、まあ一般的なオフシーズンの間に移動することになると、思います。

記者A:東京、大阪、名古屋間でスポンサー獲得に動いているというが、今現在どれ位の数契約に至っているか? 何社契約に至っているとか?

岡本:契約はまだしていないです。今季3月まではワイルズの選手はプロ契約をチームとしておりますので、それが終わるまでのデュアルキャリアの受け入れ先は、現状では声をかけている段階ですので、契約までは至っておりません。

記者A:交渉中ということですね。

岡本:そうですね。はい。

記者A:釧路の方、選手を応援してくれたファンに向けて、どういう説明を言えば納得してくれるのかなって思っているんですが。ファンに対してはどういうふうに?

岡本:納得っていうのがちょっとなかなか簡単にはいかないなと思っています。しかしやはりここに至る経緯、先ほど話したように見ていくと、それから今後のことを全くその釧路の地をゼロにするとは言っていないので……。ただその中には、丁寧に説明していくしかないなと思っています。

記者A:釧路で試合を行う可能性があるということでしょうか?

岡本:さきほどの標茶町とのタイアップ、来月については行われますが、今後もそれについては釧路で試合を行いたいと思っています。

記者A:チーム名に北海道と入っていますが、チーム名変更については?

岡本:東京に行って北海道ワイルズではいかんでしょうから。

記者A:検討?

岡本:検討中です。

日本アイスホッケー連盟への連絡は?

記者B:先ほどいただいたお話なんですけれども、日本アイスホッケー連盟にはどの程度までお話されてるんでしょうか? 今回ですね、東京に拠点を移す話ですとか、どこまで日本アイスホッケー連盟さんには?

岡本:そうですね。直接まだ話は通ってないと思います。去年も行った交流戦、横浜グリッツや名古屋のチームとかその辺りと今後も連携して興行を行っていくので、当然少しずつ、別にその、そこの動きを隠しているわけではないので、伝わっていっているとは思いますが、例えば私から直接、日本アイスホッケー連盟に「こういう動きをします」「東京に行きます」というのを正式には伝えてはいません。

記者B:では、その年末にアジアリーグの申請辞退をして以降も特に日本アイスホッケー連盟とはコンタクト、事情の説明等はされていない?

岡本:北海道ワイルズとしてはとっていないです。

記者:名古屋の方でオルクスというチームがあると思うんですけれども、そちらはアジアリーグの参戦を目指してると思うんですけれども、そちらのチームとも一緒にやっていくんでしょうか?

岡本:はい、名古屋のサンエスオルクスとは今季も11月、12月と交流を開始しておりますが、今季以降も継続してもっと多分活発に交流していくことになると思います。

記者B:釧路から東京に拠点を移されるというお話ですとか、アジアリーグに申請をするっていう話だったけれども結果的にいろんな事情があってされなかったとあるんですけれども、こういった動き自体は国際連盟からの制約とかを受けるような対象ではないとお考えでしょうか?

篠原GM:国際的な話は私もよくわかりませんけども、対象にはならないと思います。

東京移転後もアジアリーグ加盟を目指すのか?

記者C:東京に拠点を移して大都市圏でイベントだったり興業を行っていきたいとのことだったんですけれども、来来期もアジアリーグの加盟も東京に拠点をおいてワイルズとして目指して行くということなんでしょうか?

岡本:基本的には先ほどもちょっとお話をさせてもらったように、アジアリーグの現状、かかる費用だとか、移動費遠征費ですね、そのあたりを考えると東京に行ったとしても、なかなか厳しいんじゃないかなと思っておりまして、事業規模の縮小ということも先ほども言わせていただいて。それからすると、あまり前向きではないかもしれません。逆に新しい形を作っていけたらいいなと思っています。

記者C:拠点を東京に移すだとか、今後の方針について選手にも説明をされているかと思うんですけれども、個人の契約が3月までで4月から皆さんどうするかっていうところだと思うんですけれども。皆さんその東京に行くだとか、例えば違うチームに移籍するだとかそういった状況などは?

岡本:今のところ東京に行くことをはっきりと「できません」と回答した選手は今のところいません。

記者:皆さん、東京に行くということ?

岡本:それに関しては「まだちょっと考えさせてください」という選手も当然いますので、その選手に関しては、今の状況で、こちらから選手を縛るということは絶対しないので「よく考えてください」と伝えています。

記者D:そのデュアルキャリアのお話なんですけどちょっと確認で。先ほど東京に選手の受け入れ先がたくさんあるっていうのが1つ理由だということだったんですけれど、それは当然その働く先ということで大丈夫なんでしょうか? それとここ半年間、釧路市と交渉してきて難しい、と感じたとのご発言があったんですけどそれは今後拠点として活動していくことが難しいからでしょうか?

岡本:そうですね

記者からの質問に回答する岡本博司代表(右) ※チームのYouTubeよりキャプチャ

釧路からプロチームが無くなることに関してファンへの思いは?

記者E:岡本代表と斎藤監督にも伺いたいんですけれども、結果的に釧路の場所からアイスホッケーのプロチームがなくなってしまう。灯が消えてしまうと言うことに対して、どんなふうに思っていらっしゃいますか?

岡本:そうですね。これはやはり、そもそもクレインズの救済から始まり、釧路にアイスホッケーの灯火を残すということで活動してきたんですけれども、やはり釧路にチームを残すためには、釧路市そして連盟、それから釧路の財界、ここまですべてがきちんと一体となってチームを支えるという状況にならないと、この釧路の商業圏というか規模の街でプロチームを支えるっていうのは、やはり難しいと思います。それは、私はまだ去年からの歴史ですので、本来はっきりと全てを知ってるわけではないですが、日本製紙さんが撤退してからの歴史出来事を見れば、それは難しいだろうなというところにたどり着くと。

齊藤監督(以下齊藤):あくまでも自分の考えなんですけれども……ひとことで言うと、山田前代表、岡本現代表と半年間釧路でアジアリーグとのやり取りっていうのも身近でずっと見てきた中で、自分の出身は釧路ですし、引退したのも釧路です。なんとかトップチームを残したいと思ってやってきたんですけれども、それが結果なんだろうなと。

その中でも釧路でもたくさんワイルズを応援してくれている企業さん、ファンもたくさんいます。そういった方々には、もうきちんとこの6ヶ月間何があったか、どういう思いがあったか、どういう気持ちっていうのを伝えたときに、たくさんの方々がやっぱり釧路でやってほしいというのも、今とてもやれるような環境じゃないって言うのは分かってくれているかたもたくさん居ると思います。以上です。

記者E:話を聞いていると、結構釧路市とのやり取りはもう12月とかでかなりガタガタしていたように聞こえたんですけれども、要は何か釧路市との信頼関係が薄れたとかそういうことなんでしょうか?

篠原GM(以下篠原):正直言いまして、そこも多分にあると思います。なかなか厳しい状態に陥った、さらにこれから進もうとするときには、今の現状が壁になってるかなと思います。

記者E:逆にどういうことをして欲しかったっていうのはありますか?

岡本:最初はクレインズがしていただいてたように、包括連携協定を結んでくださいとか、リンクの使用料を減免してくださいとか、ふるさと納税をやってくださいとか、そういった話もさせていただきました。しかし先ほど言ったように、「アジアリーグに加盟してないあなた方はただのクラブチームだ、実業団チームにもしてあげていないことをあなたたちにはできるの?」 とそう言われてきました。

齊藤:僕が疑問に思ったのは、釧路市とワイルズがうまく連携を結びたいと思った時に、一番最初は、釧路連盟会長の谷川さんが、「ワイルズがあったっていいじゃん。新しい第3のチームがあったっていいじゃないか、釧路には2つチームがあった方がいいじゃないか」っていわれたひとことで、本当に選手、僕らは救われました。これは大変釧路で盛り上がるんだろうなと思いました。その中でいろいろとお願いをしていく中でですね、どこからかはわかりませんが「アジアリーグは釧路市がこう言っている」、釧路市は「アジアリーグがこう言っている。だからワイルズは認められないんだ」という形になっていったと思います。

岡本:もう1つ、先ほど包括連携協定やふるさと納税の話をしましたが、でも「それはできない」とはっきりと釧路市からは言われましたので。そこで最後に私がお願いしたのは、せめて「釧路市はワイルズを応援します」そういうアドバルーンを上げて欲しかったです。それをしてもらえれば、釧路の財界その他、連盟から財団からすべてワイルズを支援する動きをしてくれると思ったからです。経済面での支援が難しいならせめてそれをしてほしいというお願いをしましたが、それも受け入れてもらえませんでした。このあたりから、このまま交渉していても難しいだろうなと思うようになりました。

記者E:斎藤さんさっきと同じような質問ですが、釧路を去ることになってしまいましたがファンの方にどういう風に伝えたいかと言うことをもう一度聞かせてもらっても良いですか?

齊藤:本当に難しい質問なんですけれども……、時間を追うごとにスタッフ1人1人とやっぱり向き合っていくしかないと思いますし、ワイルズがどこに行っても、しっかりとその場でその場所で、なんていうんですかね頑張っている姿を見せて、また釧路で試合をやって、そういうふうになっていくしかないのかなと今は思っています。

記者F:2点あります。1つはですね、東京に拠点を移されるっていうことなんですけれども、いつごろまでにそれを完遂するというか、目標としていつごろまで拠点とし切り替えたいかっていう時期的なものが1つですね。
あともう1つ確認は引き続きアジアリーグ加盟に向けた努力は続けていくという理解で認識は間違いないか?その2点お願いいたします。

岡本:まず1点目に関しては先ほどもちょっとお伝えしたんですけれども、3月で現在のワイルズの選手との契約が終わりますので、それまでに当然、次の期の契約更改をすることになりますが、実際に3月までは釧路で活動をします。ので、4月からになると思いますが、ただいろいろ選手によっては、家庭があったり事情がありますのでそれが4月以降になるのか、3月の中から動き出すのか、そこはわかりませんが、4月5月、まあ5月までには移りたいなと思っています。

篠原:選手の基本の契約が6月から予定していますので、とりあえず6月までには何とか完結させてというふうには思っております。

岡本:はい続きましてもう1つですね、アジアリーグを、アジアリーグに加盟するための努力を続けるかどうかということですが、それは先ほどもお伝えしたように、事業規模を縮小するという観点から言うと、今現状のアジアリーグさんには入れてもらえないんじゃないか。と思うしやっていけないんじゃないかなと思いますので、それは当然そのスポンサーの獲得状況次第にはよるとは思うんですけれども、基本的にはちょっと新しい形を作っていきたいと思います。

齊藤:補足ですが推薦状(※)に関してなんですけれども、出したところでそれが受理されチームの加盟するっていうわけではないので、そこから全所属チームの賛同が必要。これが大きなキーになってくると、僕は思っています。その中で、やはり、代表が話した通りのことがありましたけれども、それが多くの決め手なのかなと思います。必ず全チームの賛同というところが、僕的には、非常に難しいのかなと思います。(※推薦状⇒加盟申請、の言い間違え?)

篠原:先ほど岡本の方からありましたように、申請自体の中で難しいって感じたのは、やっぱり今、齊藤も言ったように、逆に言うと、リーグ加盟が我々が申請しても受理されないんじゃないかっていう可能性が高いと思います。

「新しい形」とは?

記者G:説明の中で東京などで大阪で興業されていくというようなお話がありましたが、興業というのはだいたいどんなものをお考えなのかということ。それが1点目。もう1点ありまして、先ほど質疑応答の中で「新しい形を作っていきたい」と2回ほど発言されておりますが、「新しい形」とは具体的にどんなものでしょうか?

岡本:1つ目の質問、興行という内容ですが、こちらは今年とほぼ変わらない形にはなると思うので、交流戦、練習試合、エキシビションマッチ、いろいろ言い方はあると思うんですけど、基本的には試合をして、ワイルズというチームがどういうチームであるかを、そもそもあんまりアイスホッケー文化の……ないことはないんですけど東京などは。名古屋とか、去年やった滋賀とか、まだまだこれからですので、そういったところにワイルズというチームの試合を見せるという、そしてファンを獲得していく。ひいてはスポンサーを獲得していくということだと思っています。

新しい形というのは、やはりまだ何も特に形になっているわけではありませんが、逆に言えば、我々が今回東京へ移転して、大都市圏で今言った興行を行うということ自体が新しい形だと思っていますので、その先ですね、その先どうなっていくのかはまだ今我々の動きに賛同しているチームや団体の皆さんとの協議によって決まっていくと思います。

記者G:ちょっと今の話に関連して、交流試合とか練習試合なんかを見ながらファンを獲得していくと言うことですけれども、これは入場料を取って試合をしていくという理解でよろしいでしょうか?

岡本:はい。そうですね。もちろんデュアルキャリアによって、チームの事業規模、運営予算は削減していきますけれども、やはりその入場者による収入も追わないといけないと思いますので、そこもどの程度のレベルにするのかっていうのはまだ決まっておりませんが、そこも含めて、今協議している方々と考えていきたいと思ってます。(③へ続く)

③質疑応答(後半)の記事は⇒コチラ

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