現地8/25 テストマッチ
日本 3(0-3、0-2、3-3)8  ヘアニング・ブルーフォックス

協力/Morten Munk Jensen(デンマーク1部メタルリーガ ジャーナリスト)
文/アイスプレスジャパン編集部

 デンマーク・ヘアニングで合宿を行っている男子日本代表が地元クラブチーム、ヘアニング・ブルーフォックスとプレーしたテストマッチの第2戦。午後3時から行われた試合だが、残念ながら日本の白星という報は届かなかった。第3ピリオドに日本は3点を返し意地を見せたようだが、果たしてどんな試合だったのか? 現地ジャーナリストのMorten Munk Jensen氏による戦評も合わせてお届けする。

 ヘアニング・ブルーフォックスの公式サイトでは
https://bluefox.dk/
日本戦のハイライトVTRも用意されている。
 2026ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪現在最終予選は現地8月29日に開幕する。

日本 3(0-2、0-3、3-3)8  ヘアニング・ブルーフォックス

<得点経過>
(1P) 0:19 ヘアニング 1-0
        2:06 ヘアニング 2-0
       4:22 ヘアニング 3-0
(2P) 8:17 ヘアニング 4-0
        18:05 ヘアニング 5-0
(3P) 4:24 ヘアニング 6-0
    4:59 日本 1-6 G13 三浦優希 A26 平野裕志朗、27 ロウラー和輝
   8:53 日本 2-6 G17 榛澤力 A24 佐藤優
   
10:01 ヘアニング 7-2
    16:05 日本 3-7 G18 古橋真来 A13 三浦優希
   16:34  ヘアニング 8-3

GK:日本 成澤優太、(佐藤永基)
シュート数:日本 29(10、6、13)  ヘアニング 17(7、6、4)

コラム>Mortenの目:

 日曜日の午後、ヘアニング・ブルーフォックスと日本代表は2日ぶり2度目のテストマッチを行なった。金曜日のテストマッチは最後まで接戦となり延長戦までもつれた。しかしこの日は、日本のファンにとっては残念な知らせとなるが、始まってすぐに決着がついた試合となった。

序盤からプレッシャーにさらされた日本代表

 試合開始早々ヘアニングが大きなプレッシャーをかけ、1-0とリードを奪うまでに19秒しか必要なかった。コーナーからゴール前に送られたパックは、ゴール前でスケートに当たってゴールに入ったようにも見えた。マティアス・バウ・ハンセンのゴールだった。

 それから2分も経たないうちに、ヘアニングは再びフィジカルのプレッシャーとプレーの優位性を生かした。エミール・クリステンセンがヴィクトル・キューバースへパスを送ると、キューバースはこのチャンスに長いシュートを突き刺した。その1分半後には、マーカス・ケア・アルムキストがネット前のノーマークの位置からフラットなフィニッシュを決め、3-0とリードを広げた。試合はまだ4分22秒しか経過していなかったが、日本はすでに3-0のビハインドを背負っていた。日本選手にとってはまさに悪夢のような試合開始だった。

 その後ヘアニングのペナルティで日本は2度のパワープレーを得たが、点差は縮まらなかった。早田聖也がゴールに近い位置でチャンスを得たが、ヘアニングのラトビア人GKヤニス・フェカースが最後の最後で日本のゴールを防いだ。わずか7分後にもヘアニングのペナルティがあり、日本は新たなチャンスを得たが、ヘアニングはよく耐えた。5人対5人のゲームに戻ると、日本はヘアニングのディフェンスを突破するのが難しくなり、このピリオドの間に日本の得点チャンスはほとんどなかった。しかしピリオド終盤に磯谷奏汰が素晴らしいシュートを放ったのは目を引いた。


ペナルティの犠牲を払わされた日本

 第1ピリオドで試合はほぼ決着がついたとも言えるが、ヘアニングはその後も日本の選手たちにプレッシャーをかけ続けた。するとチームがプレッシャーを受けているときによく見られるように、氷上での優劣が日本の反則を招く。それは第2ピリオドで大きな代償となって返ってきた。第2ピリオドは佐藤優、そして入倉大雅に絶好のチャンスが訪れたもののヘアニングは堅い守りで日本からのゲストに得点を与えないことに成功した。
 第3ピリオドで日本は名誉挽回に成功したものの、サプライズとまではいかなかった。4分、日本の一貫性のないディフェンス・プレーの後、ヘアニングが6-0と点差を広げた。いずれにせよ中央のゾーンを制圧された日本はヘアニングにあまりにも簡単なゲームを許してしまっていた。しかし、そのゴールから約30秒後、日本はようやく試合の足がかりをつかんだ。三浦優希が3対2の状況をうまく利用し、ついにゴールを奪うことに成功。6対1としたのだ。
 その4分後にも日本は追加点で6-2。ゴール近くへ送られたパックに対してポストで榛澤力が良いポジションを取り、このチャンスを確実に生かした。
 ヘアニングが追加点を挙げた後、日本は試合終了4分前に7-3と追いすがった。GKヤニス・フェカーズがパックをコントロールしたようにも見えたが、そのパックは柔らかい弧を描きながら彼の上を通過し、ゴールエリア内で古橋真来がパックを押し込んだ。
 日本は3-8とされた残り2分3秒にタイムアウトを取り、6人攻撃を敢行。もちろん、2分間で5ゴールも決められないことは十分承知していたはずだが、ご存知の通り、この先にはノルウェー、デンマーク、イギリスとのオリンピック最終予選が控えている。だから、その練習ができたのは、日本人にとっては意義のある時間だったろう。

 ヘアニングはテストマッチ1試合目も参考にしながら、全体的に堅実で素晴らしい戦いぶりを繰り広げた印象だ。いっぽう日本の選手としては平野裕志朗が最も目を引く存在だった。彼はゲームをよく理解し、全体を把握し、日本のパワープレーをうまくコントロールし、全体的に安全で冷静なパックの動きを引き出していた。(コラム終わり)

いよいよ会場のデンマーク・オールボーへ

 日本代表はこの試合を終えて、最終予選の会場であるオールボーへ向かった。ぜひ大会では素晴らしい戦いを繰り広げてくれることを願う。

最終予選でも成澤優太選手のセービングに注目だ(写真は、世界選手権Div-IB対ウクライナ戦)

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