耐えて……逆転! 守備力発揮した日本が難敵ハンガリーを2-1でくだし五輪最終予選進出決定

最終予選進出を決め歓喜する男子日本代表のメンバー ⒸJIHF-Photo, Nagayama

取材・文/アイスプレスジャパン編集部
写真提供/日本アイスホッケー連盟 

2026ミラノ・コルチナダンペッツォ冬季五輪 3次予選グループG
2/10(土)20:00~(日本時間 2/11(日)4:00~)@Tuskecsarnok・ブダペスト 観衆:1929人

日本 2(0-0、0-1、2-0)1 ハンガリー
ゴール:【日本】中島(彰)、ハリデー 【ハンガリー】SOFRON
GK:【日本】成澤 【ハンガリー】BALIZS
シュート数:【日本】20 【ハンガリー】37


ハンガリー・ブダペストで行われた、2026ミラノ・コルチナダンペッツォ五輪3次予選グループG。ともに2連勝勝点6で迎え、勝った方が最終予選進出という”決勝戦”を制したのは日本だった。

日本はこの大会での最初の2試合、リトアニア戦とスペイン戦で非常に悪い立ち上がりを見せてしまい、大きく得点で先行されるようなひどい状況だった。しかし、このハンガリー戦ではその点に関して素晴らしい修正を行い、第1ピリオドを0-0のスコアレスで折り返すなど強みである守備の堅さを完全に取り戻した。

そこまでどちらも4度ずつのパワープレーのチャンスがあったものの決められず0-0のまま試合が進んだ第2ピリオド終盤の16分、日本側がペナルティをし、ショートハンドになったところでハンガリーのSOFRONにパワープレーゴールを決められ日本は1点のビハインド。しかし、日本は動揺を見せることなく第2ピリオドを0-1のままキープして終えると、第3ピリオドに反撃に転じた。

第3ピリオドに猛反撃。最後は持ち前の守備力で逃げ切る

ペナルティーショットは惜しくも止められたが、佐藤航平が日本に勢いをもたらした ⒸJIHF-Photo, Nagayama

まずは第3ピリオド1分過ぎに佐藤航平(さとう こうへい/英1部・ベルファストジャイアンツ)がスピードを生かしてゴール前へ。このプレーは相手にひっかけられて得点には至らなかったがペナルティーショットを獲得。佐藤(航)が臨んだペナルティーショットは惜しくも相手GKに阻まれたものの、ここから勢いが日本に出てきた。

その直後に相手の反則でパワープレーを得た日本は、3:32に素晴らしいパス回しを見せ、最後はゴール左から中島彰吾(なかじま しょうご/レッドイーグルス北海道)が強烈なショットを決めて同点に追いつく。

同点弾を決めた直後の中島彰吾 ⒸJIHF-Photo, Nagayama

さらにその2分後には、DFも含めて相手ゴールに大きくプレッシャーかけての連続攻撃を見せ、最後はゴール前の混戦に詰めていたハリデー慈英(はりでー じえい/レッドイーグルス北海道)が値千金の勝ち越しゴールを押し込む。

逆転弾を決めたハリデー慈英(左)とゴールを守り抜いた成澤優太(右) ⒸJIHF-Photo, Nagayama


これで2-1とリードした日本は、それまでも再三のスーパーセーブを見せていたGK成澤優太(なりさわ ゆうた/レッドイーグルス北海道)を中心にDFとの連携がガッチリ噛み合い、ハンガリーの攻撃を跳ね返すプレーに徹する。最後は6人攻撃に出てきたハンガリーの猛攻をもしっかりと守り抜き、ついに試合終了の合図を聞く。
相手のホームという厳しい条件のなか、日本代表はハンガリーに2-1で勝利。日本は3次予選を見事に3連勝で勝ち抜いて最終予選進出を決めた。

完全アウエーの環境下で見事にハンガリーをくだした ⒸJIHF-Photo, Nagayama

最終予選の舞台は、ラトビア⇒デンマークに急きょ変更された

これで最終予選進出を決めた日本。最終予選は2024年8/29~9/1の日程で3会場(スロバキア、ラトビア、デンマーク)に分かれて4チームずつのリーグ戦を戦い、各グループの1位が2026ミラノ・コルチナ冬季五輪の出場権を獲得する。

日本が参加する最終予選のグループはラトビアで開催されるグループEといったんは発表されたが、IIHF(国際アイスホッケー連盟)は2/12に理事会を開催し、ロシアとベラルーシの両国に対してこれまでと引き続いて2024-25シーズンのIIHF主催試合参加資格を与えないことを決定した。
このためベラルーシの最終予選出場資格は剥奪され、ベラルーシの2026冬季五輪出場の可能性は消滅。それにより最終予選の組み分けも変更され、日本はデンマークで行われるグループFに臨むこととなった。

<2026ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪最終予選のグループ分け>

グループD:スロバキア (9)、 カザフスタン(15)、オーストリア(16)、ハンガリー(19)

グループE:ラトビア(10)、フランス(13)、スロベニア(17)、ウクライナ(27)

グループF:デンマーク(11)、ノルウェー(12)、イギリス(20)、日本(25)

※( )は世界ランキング



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