小学生年代選手の育成を。苫小牧で「第1回ナラサキスタックスカップ」がスタート

苫小牧のクラブチームに所属するメンバーが一堂に会する大会となった

取材・文/アイスプレスジャパン編集部 写真提供:ナラサキスタックスカップ大会事務局

 6月28&29日、新設のジュニア大会『第1回ナラサキスタックスカップ 小学生アイスホッケー大会』が開催された。会場の苫小牧・DYNAX沼ノ端アイスアリーナに市内の小学生クラブチームが集合。「レッドスターズ」、「苫小牧westアイスキング」、「BURNING BULLET」 の3チームが小学5~6年生中心のAプール、3~4年生中心のBプールと分かれてのリーグ戦形式で熱戦が繰り広げられた。また1~2年生は参加選手を混成2チームに編成して試合が行われた。
7月19日(土)にはnepiaアイスアリーナに会場を移し、各プールの決勝戦が行われる予定となっている。

 この『第1回ナラサキスタックスカップ 小学生アイスホッケー大会』は苫小牧市内で港湾輸送・物流をてがける企業であるナラサキスタックス株式会社が主催し、苫小牧アイスホッケー連盟が主管。また苫小牧市とFMとまこまいが後援する形での新設大会としてスタートした。
 この大会の開催に向けて各所で調整を行い尽力したのが日本製鉄IH部室蘭スティーラーズの前マネージャーで現在はナラサキスタックス(株)の社員でもある藤浪幹さんだ。「アイスホッケーに携わる者の1つの目標として、苫小牧で子どもたちの育成&強化につながる大会を開くことが念願だった」(藤浪さん)との言葉通り、各所の協力も得ながら、子どもたちが思いっきり試合をできる環境を整備した。予選の2日間はDYNAX沼ノ端アイスアリーナに小学生選手たちの歓声とパックやスケートの音が響き渡った。

「アイスホッケーのこれから」を担う子どもたちのために新設

予選では多くの子供たちが存分に試合を楽しんだ。決勝は7/19にnepiaアイスアリーナで開催される

 この大会が新設されるにあたっては、全国的にもアイスホッケーの盛んな街である苫小牧ですら、アイスホッケーをプレーする子どもたちが年々減少しているという危機感がベースとなっている。「苫小牧のアイスホッケーを盛り上げるために何かをしなければ、という思いがありました。そのうえで、今の小学生たちがスキルのレベルに合わせて参加できる大会が必要ではないかと思い大会の形式などを皆で考えて進めていきました」(藤浪さん)。決勝戦翌日には学年やレベルに合わせて大会参加全選手がホッケースクールにてコーチの指導を受ける時間もあえて用意した。試合に加えてコーチから技術指導を受けることでより成長してもらいたい、という大会スタッフの思いがくみ取れる日程だ。

プレーだけでなく様々なところで子供たちの思い出になる大会になれれば、と恒例化を目指す

「毎試合ベストプレーヤーを選出しましたが、ディフェンスやゲームメイクなど地味だけど大切なプレーを見せてくれた選手を選んだりもしています」(藤浪さん)。これから本格的なシーズンがはじまるという時期に良い試合経験を提供することで、子どもたちがもっとアイスホッケーを好きになってこの先も続けてもらいたいという思いがこの大会には込められている。

「今回スタートしたこの大会ですが、恒例としてぜひ長く続けたいと思っています。予選の2日間、思っていたよりも多くの選手、また保護者の方がリンクに来てくれ盛り上がりました。選手全員にお菓子を用意して配る取り組みも行ったのですが、子どもたちがチームの垣根を越えて一緒に食べたりするなど、その年代ならではの交流も楽しんでくれていたようです。私自身も小学生の時に参加した大会での数々のシーンは今でもすぐに思い出せるほどなので、今大会に参加してもらった子供たちにもそんな楽しい記憶を残してもらいたい。いま小学6年生の子たちも6年ほど経てば高校を卒業し、将来大学へ行ったり社会人になったり……。トップリーグへ行ける選手も出てくると思うし、そうでなくても弊社も含め、苫小牧の各企業で働きながらアイスホッケーをプレーしてくれるかもしれない。そうやって今大会が1つの種となり、苫小牧のアイスホッケーを盛り上げていくことに繋げられれば嬉しいです」(藤浪さん)

この大会でプレーした小学生がいつか世界の舞台へはばたく時が訪れるかもしれない。苫小牧で始まった育成の取り組みに今後も注目したい。

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