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こちら『アイスプレスジャパン』まで見に来て頂いてありがとうございます。
こちらでは1月下旬、女子日本代表スマイルジャパンが北京五輪へ向けて日本を出発する直前に行われたリモート会見で、選手・監督が北京オリンピックへ向けて語った「強い想い」をお伝えします。
会見の要旨となります。文字が多くなりますが、ぜひご覧頂いて、選手たちの思いを共有して、スマイルジャパンを応援していただければと思います。
オリンピック期間限定の公開となります。
『スマイルジャパン』北京へ向かって 小池&細山田選手
DF 小池詩織選手
Q:小池さんは3回目の出場です。前回からこの4年間で、ご自身の守り、成長した部分はどういうところだと解釈してますか。
小池:平昌までのオリンピックではメンタル面で波があったかなと思っています。そこを今回は改善して、北京オリンピックまでの期間、セルフトークで安定するようにメンタルコントロールは心掛けています。
Q:プレー面ではここまでどういうところを改善していくことを心がけていたんでしょうか。
小池:平昌オリンピックもそうでしたが、自分の持ち味はアジリティを生かして攻撃参加するのが持ち味だと思っています。平昌オリンピックでも攻めには参加はしていたんですけど、シュートの精度が悪いというか、そういった部分は感じていたので北京に向けてはシュートを強化してきました。
Q:ある程度遠目のシュートを重視してきたということですか。
小池:ブルーラインからのシュートは、スラップショットを打ってしまうと、相手のプレースピードが速いために相手に当ててしまうことが多いので、DFの位置からのリストシュートを練習していますね。
コーチの中島谷さんとともに、ブルーライン際のシュートとフェイントの練習もしています。シュート1発じゃ簡単には入らないので、ワンフェイクを入れて相手をかわしたうえで素早くリストで打つというのを練習してきたので、そこを北京でも生かせたらと思います。
Q:3度目ということで、経験を重ね、ある程度生かせるというのか、チームに落ち着きを与える役割もあると思うんですが、その辺りはどう考えていますか。
小池:スマイルジャパンは若い選手が多くて、その中では上の方だと思っているので。私の立ち位置としてはオリンピックも3大会経験していますし、そこは冷静に戦えるように、周りにも平常心を与えられる存在になれたらと思っています。私自身も雰囲気づくりといいますか、周りを楽しませるのが大好きなので、そういう意味でもチームで雰囲気を上げていければと思っています。
Q:アニメで女子アイスホッケーをテーマにした「プラオレ!」が始まりました。日光ではアイスホッケーの熱というのは正直競技人口が減っているのも中々難しい部分があると感じてます。だからこそ小池さんの活躍でもう一度日光でのアイスホッケーの熱を盛り上げられたら、と思っているんですが、そういう意味ではどう感じていますか。
小池:私もプラオレのアニメが始まったのは衝撃的で凄いなと思っています。地元の日光がアニメの舞台になるっていうのは本当にうれしく思いますし、これを機にアイスホッケーを続ける、始める人が少しでも増えたらいいなと思っています。私みたいに、私は北海道に出て成長させてもらったんですけれども、若い選手達も日光からいろんなところに出て行って、アイスホッケーにチャレンジしてほしいなと思っています。
Q:改めてオリンピックの3度目の代表に選ばれたご感想というところでお願いできればと思います。
小池:3度目のオリンピックに行けるということですごく感謝していますし、平昌のオリンピックでも自分の力を100%発揮できたかというとそうでない部分も大きいので、今回また挑戦できるので嬉しく思います。
Q:改めて、自分の持ち味、こういうところを見てほしいというアピールポイントがあればお願いしたいのですが。
小池:私は脚を速く動かすアジリティという部分で、そこが得意なので、脚を生かして早く相手の攻めを封じるというか、あまり前を向いて攻撃させないということを意識しています。攻撃に積極的に参加するのも持ち味なので、そういうところでも貢献できればと思っています。
Q:地元の話をしたいと思うのですが、地元で中学、高校と力をつけてきたと思うのですが、どんなところですか。
小池:日光にいるときは東照宮の坂ダッシュとか結構な坂がいろいろあるので、それで鍛えていました。なかなか北海道とちがって、日本代表という環境にあまり日光は触れられなかった部分が過去はありました。そういった部分でも私は中学校2年生の頃から日本代表の帯広合宿にも参加していたので、その参加をきっかけに北海道の選手を見て、もっとレベルアップをしたいというところで挑戦しました。友だちからは「コロナ禍で一番の楽しみだよ」と連絡を頂いて、そこはすごくうれしく思います。
NHK:DFとして平昌の時は失点をしないというところに重きを置いていたと思うんですが、この4年間でどういう手ごたえを感じていますか。
小池:レベルの高い国と戦うと、守りの時間がどうしても長くなってしまうんですけれども、今は相手を前に向かせない守りという感じで、みんなで早いプレッシャーをかけて短い守りにつなげようというところです。DFとして守る時間を少なくしていい攻撃につなげられるようにしています。
Q:所属の道路建設ペリグリンでは背番号68番をつけていますが、これはヤーガーですか?古河でやってられて、チェコのホッケーに親しみが……?
小池:そうです。
Q:小池選手にとって、予選リーグ最後の試合で当たるチェコのアイスホッケーはどういう存在なのですか。
小池:父(元日本リーガーの真さん)もよく古河電工時代にチェコへ遠征に行っているときがあって、「チェコはDFのバックチェックが凄いぞ」と教えてもらっていました。バックチェックもすごいですし、個人のスキルの高い選手もいて、そこを日本として防ぎ切れれば勝利できるのではと思っています。
Q:海外勢は小池さんからどうご覧になっていますか。勝利のポイントは。
小池:平昌オリンピックでもスコアリングチャンスを決め切れていなく、得点が0で終わってしまった試合もあるので、この4年間で得点に関して練習してきたので、その部分で成果を出せればと思います。
コロナ禍ということもあり栃木の方に2年間帰ることができていないんですけれども、その中でも私のプレーで勇気と元気を与えられたらな、と思います。応援よろしくお願いいたします。
DF 細山田茜選手
Q:改めて北京まで間もないですが、コンディションを伺ってもいいでしょうか。
細山田:先月から抱えている痛みはありますが、重症ではないので、それ以外はいいコンディションです。新しいけがですが、プレーへの影響はないです。膝なんですが、転び方が変で当たっちゃった感じです。
Q:この4年間コロナもあり、日本に拠点を移して初めて臨むオリンピックだと思うんですが、この4年間日本にいたことで良かったことはいかがですか。
Q:国内にいることでこの環境でも合宿に参加できていたので、その中でチーム力が、チームの仲が一つになれていたので、私として良かったと思っています。平昌前はカナダと日本を行き来していて参加できなかった合宿があって、チームとの距離がちょっとできたのかなと思ったので。拠点を日本に置いてからはチームが1つになる強さを感じました。
Q:日本語力も考えてというところがあったと思うんですけど、コミュニケーションも重要だったんですか、日本に住むということは。
細山田:普段会ってしゃべるということに関してはコミュニケーションを取れていたんですけれども、当時はメールを打つのもローマ字で打ったりひらがなで打ったり、みんなもローマ字やひらがなで返してくれたりと大変だったのかな、と。でも、日本にいてみんなと連絡が取れるようになってきて、スムーズに、自然にコミュニケーションが取れるようになってきたので私にとってはプラスになっています。
Q:技術面で、1対1の勝負に強いなど細山田さんの中で元々もっていたものにプラスされた、この4年間で積み上げたものがあれば教えてもらえますか。
細山田:元々海外でやったこととしては体の使い方やポジショニングなどは自然に身についていたのかなと思うんですが、こっちに来てからは自分の時間がとても増えて、自分の弱みを振り返ることができて。オフアイスで筋トレを強化できたので、その部分ではプラスになるし、自分で平昌から強化してきたシュート力にもプラスになってきたのかなと思います。
Q:筋力もかなりついた感じですか。
細山田:今が今までで一番いいと思います。
Q:昨年8月の世界選手権で、アメリカと戦いました。てまだ足りないな、などその時感じたことを教えてください。
細山田:世界選手権に臨んだときは国際試合ができなくて、海外の選手に平昌から強化してきたコンタクトプレーがどのくらい通用するのか、と考えていました。戦ってみて、コンタクトといったフィジカル面で差が埋まっているのを感じたので、まだまだ埋められるところはありますが、そこは自信にしていいのかなと思っています。スコアリング力も上がってきているので、私は8月の世界選手権はプラスに終えられたと思います。
取材・文/アイスプレスジャパン編集部