【現地4/9アップデート】IIHF女子世界選手権トップディビジョンがいよいよ開幕。
上位進出を目指すスマイルジャパンは初戦で中国と対戦

テストマッチで突破を見せる高涼風選手(道路建設ペリグリン)。日本は良い状態で初戦に臨めそうだ

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

「女子アイスホッケー、世界最高峰の戦い」がスタートする。

アメリカ・ニューヨーク州ユーティカを舞台に、IIHF女子世界選手権トップディビジョン(Div.)がいよいよ現地4/3(水)に開幕。全10ヵ国が世界チャンピオンの座を目指して対戦する。

われらがアイスホッケー女子日本代表=愛称「スマイルジャパン」は現在の世界ランキングで7位。この大会で上位に入って世界ランクのポイントを積み上げて6位にランクアップをすることができれば、2026年ミラノコルティナダンペッツォ冬季五輪に予選を経ることなく出場できることがほぼ確定(※)となる。そのためにもぜひベスト4以上、そしてメダル獲得を目指してもらいたい。

アイスプレスジャパンは4/1に現地ユーティカで飯塚祐司監督に大会の目標やチームの仕上がり具合、また大会の展望をうかがうことができた。アイスプレスジャパンだけが取材しているその内容は後編でお伝えする。

※2026冬季オリンピックの予選の詳細については、2024年IIHFアイスホッケー女子世界選手権後に発表される。現在世界ランク6位のロシアの扱いについてもそこで決定される模様だ。

前大会に引き続き、キャプテンを小池詩織選手(道路建設ペリグリン)が務める

準々決勝に勝ってベスト4になるには、予選リーグ1位通過が必須

それでは、IIHF女子世界選手権トップDivの大会フォーマットをご説明しよう。

女子世界選手権トップDivの開催は年1回(※)。参加国は10ヵ国。前回大会の成績によって各国がA、Bの2グループに分けられる。

Aグループ:アメリカ、カナダ、チェコ、スイス、フィンランド
Bグループ:スウェーデン、日本、ドイツ、中国、デンマーク

予選はA・Bそれぞれ総当たりの予選リーグで順位を決定し、Aグループは5ヵ国すべて、Bグループは上位3ヵ国が準々決勝進出=ベスト8となる。

準々決勝の組み合わせは、
A1位xB3位、A2位xB2位、A3位xB1位、A4位xA5位の4試合。
準々決勝の勝者が準決勝に進出。その勝者が決勝へ、準決勝敗者は3位決定戦にまわる。

今大会は準々決勝で敗れた4チームによる順位決定トーナメントは行われず、予選リーグの成績にもとづいて5位から8位までを決定する。B4位とB5位になったチームは1試合の順位決定戦を行い、敗れたチーム(10位)はディビジョンI-Aに降格となる。

【現地4/10アップデート】女子アイスホッケー世界選手権トップDivの大会フォーマットが変更に

IIHFの公式サイトの「TOURNAMENT FORMAT」の内容が大会前の時点とは変更がなされました。

かなり重大な変更です。https://iihf.com/en/events/2024/ww/tournamentinfo/54806/tournament_info…

まず最大の変更は降格チームが1⇒2になったと言うことです。ですので9位と10位(Bグループ4&5位)は来季世界選手権ディビジョンIAに降格となります。

現地4/13(土)11:00から予定されている試合は、以前は9-10位決定戦とお伝えしていましたが、準々決勝での敗者4チームのうち予選リーグ上位の2チームによる5-6位決定戦へと変更なりました。

なお、準々決勝に進出しながらも敗れた2チームのうち、予選順位が下から2つまでのチームは順位決定戦は行われず、敗者4チームのうち予選順位で3番手が7位、4番手が8位ということで順位が確定します。

したがいまして、この後の日本対デンマーク戦はさらに重要な重みを持つ試合ということとなりました。

現地・編集長より>確認作業に追われてここまでお伝えできずにいましたが、現地でしかるべき役職の方への確認が取れましたのでお伝えします。なお、この件については関係者への取材を続けております。また当初の大会前に発表されていたフォーマット(9-10位決定戦)に戻る可能性もゼロではありません(過去にそのような例があったため)が、現時点では変更確定ということで当方はその役職の方から口頭で確認しています。

【重大な変更】4/13の順位決定戦は5-6位決定戦に変更となった。本文を参照ください

A組の1、2位はやはり突出した2強であるアメリカとカナダになる可能性が非常に高い。そのためBグループのチームが準々決勝で勝利してベスト4になるためには、やはりB1位になることが重要だ。そのためにも日本は全勝でグループリーグを突破したい。

※北京冬季五輪までオリンピック開催年には世界選手権トップDivは非開催とされているが、女子アイスホッケーの人気向上に伴って今後それが変更される可能性がある。

今年はネット生中継あり。スマイルジャパンをリアルタイムで応援しよう

2022年大会では強豪フィンランドを完封した経験もあるGK増原海夕選手(道路建設ペリグリン)。今大会もその堅い守りに注目だ

過去2大会続けて日本向けの試合中継はなかったが、今回の2024ユーティカ大会では、インターネットによる試合中継が決定。日本のみなさんにも日本の試合を全試合リアルタイムで視聴できる環境が整った。

TBSスポーツのYouTubeチャンネルでの放送時間は下記の通り↓
<予選リーグ グループB  ※日本時間>
4/4(木)23:55~(現地4/4 10:55) 日本 vs 中国
4/6(土)3:55~(現地4/6 14:55) 日本 vs ドイツ
4/7(日)23:55~(現地4/7 10:55) 日本 vs スウェーデン
4/10(水)10:55~(現地4/9 18:55) 日本 vs デンマーク

テストマッチを快勝し、スマイルジャパンは調子上向き

われらがアイスホッケー女子日本代表=愛称「スマイルジャパン」は、3月下旬に苫小牧・DYNAX沼ノ端スケートセンターで行われた事前合宿・女子ユースキャンプにてチーム集合。その後大会1週間前に開催地ユーティカに乗り込み、現地で合宿を行ってきた。

4/1に行われたデンマークとのテストマッチでは、攻守ともに力強さを見せてデンマークにほぼチャンスを与えない戦いぶりで4-0の完封勝ち。シュート数もデンマーク14に対して日本は34本と圧倒するなど調整は順調にすすんでいるようだ。

日本の初戦は大会2日目から。Div-IAから昇格してきた中国とのアジア対決で大会をスタートする。ぜひその初戦にしっかりと勝ちきって勢いに乗ってもらいたい。

3戦目まで日本時間深夜の試合になるが、アイスホッケーファンのみなさんにはスマイルジャパンに大きな声援を送っていただき、彼女たちをぜひ後押ししてほしい。

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