アジアリーグアイスホッケーTV3/9に不具合が発生したことについて、運営会社への質問とその回答を公開します

アイスプレス編集部・編集長ポタやん=関谷智紀です。
3/9(木)のプレーオフセミファイナル初日に発生した#アジアリーグアイスホッケーTVの不具合について、編集長名にて質問のメールを送ったところ、アジアリーグアイスホッケーTV運営会社のご担当者様から返答をいただいた。この件に関して「返答した内容については御社媒体にてお取り上げいただく分には問題ございません」との許可も頂戴したため、やりとりについてここに公開させていただく。

アイスプレスジャパンのTwitterには多くの読者、ファンのみなさまから様々なご意見とご情報をいただきました。改めてここに御礼を申し上げます。

なお、3/10にメールで送付した質問に対して3/11(土)14時17分に第1報で回答が来るなど、迅速に対応いただいた。その後内容について確認等のやりとりがあったため、当記事をここまでお待たせしましたこと、読者の皆様におかれましてはお許しいだきたい。
また当編集部の見解はこの記事の最下部に書かせていただいた。よろしければ最後まで記事をお読みくだされば幸いだ。



当編集部からの質問とALTV運営会社担当者からの回答


質問1) 3/11以降シーズンパスでプレーオフの試合を視聴できるのか否か?この点が現在の御案内だと非常に分かりづらく、お早めのアナウンスが必要かと思います。
回答1) シーズンパス(年額プラン)および月額プランの加入者は追加費用なしでライブ・見逃し配信ともご視聴いただけます。

質問2)メールにて視聴者宛に対応説明が配信されましたが、こんご公式HP等でのご説明の計画はありますか?
回答2)不具合のあった2試合の視聴チケット購入者に個別でご連絡しております。アジアリーグアイスホッケーTVではマイページにてご案内しております。
⇒編集部補足:ALTVマイページでは「3月9日配信の試合視聴における不具合のお詫びと返金手続きのご案内」というポップアップがプラン一覧の上に表示されており、視覚的に分かりやすいようになっている。

質問3)不具合が起きた理由は?
回答3)視聴チケットを購入した方の決済情報をサイト側のシステムが正常に処理できておらず、視聴チケットをご購入くださっているにもかかわらず、未購入と識別されておりました。この現象が発生したのは今回のみで、レギュラーシーズンの試合は正常に処理できておりましたが、「シーズン」と「プレーオフ」を切り替えることにした結果、発生した問題です。「シーズン」同様に「プレーオフ」に関しても決済代行サービスを経由した購入情報を正しく処理できるようシステムを修正し、再発防止策を講じております。

アジアリーグアイスホッケーTVのマイページに表示される「ご案内」

また、担当者からのメールの末尾には下記の文面が記されていたので、一部抜粋してご紹介させていただく

皆さまのご声援ご支援があってこそのアジアリーグアイスホッケーであり、アジアリーグアイスホッケーTVのサービスが成立しておりますのも皆さま方の支えがあるからこそでございます。その中で配信クオリティの担保を含め、至らぬ点が多々ございますこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。より多くのアイスホッケーファン、各チームのファンに楽しんでいただけるよう試合配信のクオリティ向上とサービス向上に努めてまいります。今後とも、ご愛顧のほど何卒よろしくお願いいたします。

これらメールでのやりとりについては誠意ある対応をいただいたものと評価したい。



<アイスプレスジャパンの見解と提言>よりファンに寄り添った運営を

今回の#アジアリーグアイスホッケーTVの不具合は、プレーオフ初日というタイミングで発生したものであり、ことに「有料の配信サービス」としては決してあってはならないものだと考えている。この点については再発しないようにあらゆる不具合の原因となった点を洗い出し、今後万全の体制を整えていただくほかない。
また、事前の視聴プランにおける説明も不十分であったことは否めない。年間パス購入者がその権利でプレーオフゲームを視聴できるのか否か、プレーオフ前日までにはっきりとしたアナウンスがなかったことがより視聴者を混乱させた。もし、事前に「年間プランでプレーオフも視聴可能」とアナウンスされていれば、年間プラン購入者が単発試合プランをあわてて購入する必要はなかったし、運営側にとってはその後の返金作業が発生する手間もなかった筈だ。そのあたり、もっとファンの立場と心理を想像しながらの運営が求められていると考える。
また、年額プラン購入者が3/9試合開始当初にログインできず第1ピリオドがリアルタイムで視聴できなかった事象が発生しているにもかかわらず、運営会社からの返答には
「(補足)
今回の不具合は主に試合毎の視聴チケット購入者さまに影響を及ぼしたものです。シーズンチケット(年額プラン)保有者は本来は試合毎の視聴チケットをご購入いただく必要がないにもかかわらず、われわれの不案内が原因で、試合毎の視聴チケットをご購入くださった方がおり、シーズンチケット保有者の中にも影響を受けた方がいらっしゃいました。

そのため、当該試合の視聴チケットご購入者の方々に直接メールを差し上げてご案内しております。メールをご覧になっていらっしゃらない方がいる可能性を踏まえて、アジアリーグアイスホッケーTVのログインページ、および、マイページ上にて返金対応についてご案内しております: https://tv.asiaicehockey.com/notification-202303(補足以上)」

との文言が返信に記してあった。これを拝見するにIT関係のエンジニアが言うところのいわゆる『障害の切り分け』が上手くできていたのだろうか?、という疑問は残る。

アジアリーグアイスホッケーTVの視聴者はファンでもあるがそれ以上に、”アイスホッケー界のためならいわゆるお布施としてでも課金して、トップリーグであるアジアリーグアイスホッケーの運営の助けとなりたい”、と考えている方も多いと思う。
その感覚を薄々感じつつ運営側はファンに甘えているのではないか? 厳しい言い方ではあるが、ここではっきり申し上げる。ファンから度々指摘されている画質の向上、番組内容の改善などについて来期以降進化していることをより積極的にアナウンスし、見える形で見せなければ、徐々に有料視聴者は減っていくだろう。それは巡り巡って日本のアイスホッケーの衰退を意味する。

リソースが少ない、担当者の数が絶対的に足りない……といった実情はこれまでの取材を通して垣間見ており、多くの方が頑張っているのも理解している。その現実とのバランスを考えれば今回はかなり厳しい論調になってしまい申し訳ない思いもある。

ただ、初年度とはいえ有料配信で今回起きた不具合は、他競技やスポーツ以外の映像配信サービスでの事例を踏まえてもかなりよろしくないことは確かで、それだからこそ改善を促す意味でも厳しい論調にならざるを得ない。
ぜひ、このオフシーズンには関わる者がみな知恵を絞ってより良い方向になるよう頑張ってもらいたい。
またそれは我々自身も含めて、だ。取材者の立場としてではあるがアイスホッケーを応援し、また長年他競技も含めてスポーツを取材してきたものとして、意見を求められればぜひご協力したいと思っている。



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