【プレーオフFinal Game5】レッドイーグルス北海道・GK成澤優太選手インタビュー全文掲載

取材・文・写真／アイスプレスジャパン編集部

記者：今日の試合（Game5）を振り返って
成澤優太選手：そうですね。正直、本当に死闘だったので、要所要所しか覚えていない感じがあるんですけれども……。スコアからしてやっぱり2点以内に抑えられたのは良い点ではありますが、欲を言えば昨日も言ったように、やっぱりダルトン相手に2失点以下で抑えないと勝ちには繋がらないと思ったその矢先だったので。そういった意味でもやっぱり2点っていうこの重みが、天と地ですけれども、本当にその勝敗も分かれたと思います。

記者：苫小牧でのGame1、2は体調不良で出られず韓国に来てから3試合全て出場ということで、喜怒哀楽というかメンタルでの波があったんだろうなと思うのですが、そこについてはどうでしょうか？
成澤：いえ、もうそんなに喜怒哀楽はそこまでなかったです。やることはもう決まっていましたし。チームに迷惑をかけた部分もありましたけれども、やっぱり勝つことだけを考えていたので、自分の気持ち、メンタル面ですけれども試合を通してそこまで波もなく試合に挑めましたし、最後まで気持ちを切らさずプレーできたと思います。
さきほども言いましたけれども、１点が天と地の差なので。やはり優勝しないと、結局は2位だと不甲斐ないといいますか……。

記者：試合開始直後のショートハンドでの失点について。アニャンのファーストシュートだったと思うのですが？
成澤：キム・ギソン選手は本当にいい選手ですし、ポイントゲッターというかシューターなんで絶対にいいシュートがくるだろう、とは思っていたのですが……。
正直にキーパー目線から言いますと（パックを一度スティックで身体側に引き寄せるようなジェスチャーをして）引かれたシュートだったので、引かれてからキャッチングサイド（にシュートしてくること）をだいたい予想していたんです。ところがそこからブロッカーサイドに打たれたので。（ブロッカーの）下ですかね。（ブレイクアウエーからのプレーで）僕も正直どこから打ってくるか賭けなければならない要素はあったんですけれども、そのファーストシュートでとてもいいシュートを打たれた、という印象でした。（キム・ギソン選手の）ポジションも正直高さといいますか、下がっているわけでもなく。そのあたりはあとでビデオを見て検証しないと分からないのですが、シューターに正対して「シュートはもう来る」と思っていたので準備はできていました。しかし本当に一番キーパーにとって難しいシュートを打ってきた。いったんパックを引かれてキャッチングサイドに打たれてもやっぱり難しいですし、（予想外のブロッカーサイドを狙ってきた）そこがキム・ギソンが一枚上手だった、と思いました。

記者：韓国代表のエースであるというところですね
成澤：正直エースを押さえきれなかったっていう部分はあります。昨日の試合から今日を迎えて、やはり先制点を与えたくはなかったのでその部分は試合前からとても意識していました。しかしあっさりそのキム・ギソンのシュートで一発目に入れられたというのはチームに流れを回せなかったのかな、と。入り方はちょっと悔やまれますね。

記者：しかしその後、オーバータイムまで失点無しで守り切ったのはさすがだと思うし、そこのメンタルの切り替えが本当に素晴らしかったと思います
成澤：どちらが勝つか全くわからない試合でしたし、ファイナルもここまで2勝2敗。僕自身、過去の経験からもとにかく楽しんでプレーをしよう、と思っていました。やっぱり力が入るというか、気持ちが入りすぎたために今まで失敗をした経験がこういう大舞台で何回もあったので。なので、そういった経験を生かせたからこそ今日の試合では80分以上を守れたのかな、と思います。
そういった面でも、自分はメンタル面で少なからず昔よりは強くなれたとは思います。年齢も年齢ですし、チームの柱じゃないですけれどもそういった部分も意識といいますか、練習から積み重ねてやってきましたので、こういう良い場面で力を出せたと思います。

記者：結果は残念でしたが、素晴らしいプレーだったと思います。何といいますか、本当に最後の最後、見ている方としても決着をつけざるを得ないのがつらい試合でした
成澤：本当にそうですね……。1点こっちが入れば本当に天国っていうか。まだ終わったばかりなので次のシーズンについては考えられない状態ですけれども、もう前に進むしかないので今日は今日で切り替えて、また明日から次のシーズンのことを考えて行動していきたいと思います。
ここまで支えてくれているファンの皆さんに感謝していますし、記者の方々も韓国まで来ていただいて本当にありがとうございました。

＜了＞