「今季はIH界にビッグサプライズを」横浜グリッツ氷上練習スタート
取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部
7/8(土)20時から横浜グリッツの今季初となる氷上練習がKOSÉ新横浜スケートセンターで行われた。「いつでも練習初日というのはワクワクしますね」(岩本和真キャプテン)との言葉通り、待ちに待った氷上練習ということで選手たちの表情も晴れやか。新横浜のリンクには選手たちの大きな声が響き渡っていた。
昨年まではスケーティング練習などの基礎的なトレーニングから初日の練習を始めていたとのことだが、今季は「メンバーがしっかり準備してきたことが分かった」(浅沼芳征監督)ため、初日からよりステップアップした練習内容に切替えた。
北米でのリーグスタートを9月に控える日本代表の平野裕志朗(ひらの ゆうしろう)が「臨時コーチ」を買って出て、渋谷一樹コーチとともに選手たちの練習を組み立て。練習後半にはゴールとゴールの距離を縮めたミニゲームやフルリンクの5対5など実戦的内容が早くも練習メニューに加わり、選手たちは非常にキレのある動きを氷上で披露していた。
平野は「北米のシーズンが始まる少し前くらいまでの期間ですが、練習メニューなども考えてコーチ的な位置からグリッツ戦力アップの力になれればと思っています。選手に近い目線でお互いに目指すゴールに向かって一緒に走っていければ」と語りつつも、最後の5対5ではGKの肩口を抜く鋭いショットを見せるなどそのプレーと背中でグリッツの選手たちを後押していた。
レッドイーグルス北海道から移籍加入したFW大澤勇斗、東北フリーブレイズから移籍加入のGK古川駿も順調なスタートを見せていた。またルーキー権平優斗、務台慎太郎も生きの良いプレーを見せ、今季にかける思いの強さをうかがわせた。
なお、ジェフ・フラナガンヘッドコーチは8月に合流、また新加入含む外国人は契約と諸手続きが整い次第8月以降をメドにチームに合流するとのことだ。
岩本和真キャプテンがいうように、今季の横浜グリッツは「こんなに強くなったのか」というビッグサプライズを起こしたい。この夏の成長に期待がかかる。
<横浜グリッツ初練習を終えて、選手・スタッフコメント>
FW岩本和真(いわもと かずま)キャプテン
11年目のシーズンを迎えますが、いつでも練習初日というのはワクワクしますね。それはルーキーのころから変わらないです。僕自身もとても今シーズンは楽しみで、早く開幕を迎えたい気持ちです。グリッツに来て3年目になりますが、みんなも今までで一番気持ちが入っていて良い練習初日だったと実感しています。平野選手が一緒に氷に乗ってくれて僕たちをプッシュしてくれたのが大きい部分もあるんですが、とても良いスタートを切れたと思います。
特に若い選手が良いキレを見せていましたし、イーグルスから来た大澤選手が先頭に立ってやってくれて、FW陣にとっても良い刺激となっています。ああいう選手を見習ってみんなどんどん成長してほしいと思います。
今年はウチのチーム、グリッツを見て「こんなに成長したんだ」とみなさんを驚かせたいですね。「こんなに強くなったか」とまわりを驚かせたい。今年はそこを目指して突き進んでいきたいと思います。
GK小野航平(おの こうへい)選手
良い練習ができましたし、良い感覚で初日を迎えられたと思います。やっぱりこうして仲間と練習できるのは最高ですね。今年も頑張ります。
GK石田龍之進(いしだ たつのしん)選手
今季初の練習ということで、新メンバーも加わってとてもフレッシュな気持ちで取り組むことができました。それから個人的に先月、チェコ(※)に行って修行してきたので良い刺激になったので、そこで得たものをどんどん出してシーズンを通じて成長していければと考えています。
※世界的なGKコーチ、フランソワ・アレール氏のキャンプ
FW大澤勇斗(おおさわ ゆうと)選手
新しい環境に来て初めての練習ということでとても楽しみにしていました。(平野)裕志朗がこの期間だけですがコーチとして一緒にやってくれていますし、初日から内容の濃いハードな1時間半を過ごせたと思っています。
今日初めて会った選手も多いですけど雰囲気良く受け入れてくれて、自分自身も氷上にいることを楽しみながらしっかり練習できたと思います。これからどんどん追い込んで開幕に向けてコンディションを上げていきたいと思います。
横浜のファンのみなさんにお会いできるのを楽しみにしていますし、もっと応援してくれる方が増えるように、チームに貢献出来るように、そして期待に応えられるように頑張っていきたいと思います。
浅沼芳征(あさぬま よしまさ)監督
新しい選手も入りより高みを目指すチームになってきたので、選手たちの意識もおのずと変わってきました。今日の練習に向けても選手たちがしっかり準備してきたのは分かりましたし、(平野)裕志朗がチームに貢献したいと臨時コーチに立候補してくれてリーダーシップを持って練習を組み立ててくれたので、選手たちにとっても新鮮な刺激があったのではと思います。ルーキーも移籍組もはつらつとしたプレーを見せてくれて動きとしても非常に良かった。
チーム内競争も激しくなってきていますので、選手たちは良い危機感を持って今季に臨んでくれていると思います。イーグルスから大澤、フリーブレイズから古川と実績のある選手が加入したことで、優勝を目指せるチームにならなければいけないという自覚も選手たちに芽生えてきています。
練習前にはチームスタッフも含めて全員で、「アイスホッケー界にサプライズを起こすような動きをオンアイス・オフアイスそれぞれでグリッツから起こしていこう」と話して気持ちを新たにしました。
目標は優勝です。とはいえ、まず階段を1つ1つ上がって行くこと。勝率5割、プレーオフ進出、そして最後の勝負で結果を残す。「GRIT」=やり抜く力、ということを今季は1つひとつ体現していきます。