1/27 北海道ワイルズによる記者会見【書き起こし】
①アジアリーグ申請辞退に至った経緯と理由、ワイルズの今後
文/アイスプレスジャパン編集部
1/27(土)北海道ワイルズによる記者会見の模様を書き起こしでお届けする
※会見進行の説明や注意事項など内容に関係ない部分については割愛しております※発言者の発言内容主旨がしっかり理解できる範囲での文字起こしを行っています。また、読みやすくするために内容とは関係ないところであえて不要部分をカットしたり、接続詞・語尾等を修正している部分があります。ご了承下さい。1
1/27 釧路市内で行われた北海道ワイルズの記者会見 書き起こし
司会:本日はお集まりいただきありがとうございます。ただいまより北海道ワイルズの会見を始めさせていただきたいと思います。まず本日は岡本代表から2点。
1点目は先日のアジアリーグ申請辞退に至った経緯とその理由について。2点目に北海道ワイルズのこれからの展望についてお話しをさせていただきます。
北海道ワイルズからの出席者ですが、代表の岡本博司、ジェネラルマネージャーの篠原秀則、そして監督の齊藤毅です。では早速ですが代表の岡本からお話しをさせていただきたいと思います。
岡本博司代表がワイルズに関わるようになった経緯
岡本代表:土曜日のこんな時間にお集まりいただきありがとうございます。まずは私がなぜ北海道ワイルズに携わるようになったかをご説明したいと思います。この点を説明しないと、1番目の議題、アジアリーグ申請辞退にたどり着かないので。簡単に時系列を追ってお話しさせていただきます。
令和4年の6月、ひがし北海道クレインズのサポーターをしていた札幌の私の同業者、私は設備工事に携わっておりますが、その人物に齊藤毅を紹介していただきました。初対面での斉藤毅くんのまっすぐな目を見て、この子なら応援してあげたいなと思い、私は愛知県にいますが、釧路のチームのアイスホッケーのスポンサーになることを決意しました。
その後、月に1度は必ず試合を見に行くようになりまして、監督だけでなく、選手の皆さんとも、コミュニケーションを取らせていただけるようになり私はどんどんチームのファンになっていきました。
しかし、令和5年の1月、実はその当期もその前期もその前の期もそうだったっていうことを私は後から知ったんですが、ひがし北海道クレインズの給与遅配が発覚しました。
チームは、1月にプレーオフ進出を決めておりましたが、2月に入り、そこから3月の最終戦まで、8連敗。最後の横浜での2連戦、私は現地で見ましたがもう選手のプレーをちょっと見てられなかったぐらいの状態でした。その時点ではもう選手はメンタル的にも経済的にも限界を迎えようとしている中で、監督の齊藤毅くんが、私と私の前にワイルズを立ち上げたときの代表取締役であった山田を出会わせました。私と山田は、齊藤毅くんからのお願いというか話を聞いて、さっそく、ひがし北海道クレインズの田中茂樹代表と連絡を取りました。もう3月の上旬にはZoomで3人で、会議をしております。
そしてさらに3月22日には釧路に実際に行きまして、釧路市それから市の教育委員会、釧路アイスホッケー連盟。財団、(聞き取れず)、あとチームから田中代表に清川GM、そして今座っているこの3人も入った状態で、クレインズ再建に向けての会議を行いました。
しかしその席でも、田中代表からはクレインズ再建策として明確なものが出ず、話は平行線となりました。そこで参加していた私と山田は田中代表に対して「こちらでも再建案を考えるので」と情報の開示を、財務状況の開示を求めました。そして、それを条件として、私は当時4ヶ月給料が出ていなかったクレインズの選手に対する2ヶ月分の給与を、球団にお貸ししました。
しかしその後クレインズの経営陣からは情報の開示を拒否され、さらには私と山田を社外取締役として監査をするといったこちらの条件も拒否され、このままでは選手は給料をもらえないまま、前に進まないと思ったので我々は選手と話をして、北海道ワイルズを立ち上げる決心をいたしました。
アジアリーグ申請辞退に至った経緯とその理由について
岡本代表:今季ここまでの約1年、まあ立ち上がったのが5月ですので、まだ1年にいたっておりませんが、私と山田と社外取締役の小林はこれまで身銭を切ってチームを運営してまいりました。これは、本当に生半可な覚悟でやっているのではなくて、真剣に選手を救うため、釧路にアイスホッケーのともしびを残すため、我々は覚悟を決めてやってきました。
そして、こうなると我々の使命としては、アジアリーグに北海道ワイルズを参戦させて選手の活躍する場を確保することになりました。そこで代表の山田がさっそく、アジアリーグのほうにコンタクトを取りました。そのときの武田チェアマンの対応は、「私と会ったことをまだ誰にも言わないで欲しい。そのときが来たら、必ず対応するので、準備をしておいてほしい」と言われました。しかし、アジアリーグに参戦するためには、年間3億程度の経費がかかって、また新規加盟には全チームの賛同が必要になってかなり加盟に対してはハードルが高い状況でした。
その後、いまだに給料も未払いで、企業版ふるさと納税での寄付に対しての税金を滞納していたがために差し押さえられ、その他遠征費などにも未払いがたくさんある状態であるクレインズに対して、アジアリーグが「今季の参戦に対しては特段の問題はない」と発表しました。それと同時に、我々の動きがフェアではないとリリースされました。7月だったと思いますが、このアジアリーグのリリースを受けて、海外で活躍する日本人選手そしてアジアリーグの選手会長からも、我々ワイルズの選手の試合機会確保を求める声明が出ました。
しかしこれについても、アジアリーグからは何の反応もありませんでした。また”クレインズから選手を奪い、潰そうとした”、そんなような情報がネット上に広まることがありました。
しかしそれは本当にそうでしょうか? このままクレインズにずっと契約をして、給料も払ってもらえない状態でありながら選手がクレインズに残るべきだったのでしょうか? 私たち経営陣は、ただただ選手の生活と試合の機会を確保したいために選手を救おうとしただけです。
私はアジアリーグのリリースが出た後も、諦めきれないので、何度も何度も武田チェアマンと電話、メールにて連絡を取る交渉を続けました。しかし私からの問いかけには武田チェアマンは明確な回答をなかなか示してくれませんでした。
そして交渉している中で、(アジアリーグは)最後には、「釧路市が一体となったチームでないと認められない」と判断を釧路市に丸投げしました。よって、そこから私は今度は釧路市と交渉を始めました。しかし窓口である教育委員会スポーツ課からは「クレインズはアジアリーグに加盟していたチームだから支援をした。しかしあなたたちはただのクラブチームだ。実業団と変わらない。だから支援できない」というものでした。とても厳しい対応でした。しかし、それでも、諦めちゃいけないと。「アジアリーグは釧路市から支援をもらわないと認められないと言っている。どうしたらいいですか?」 と何度も何度も問いかけておりました。そこで出てきた案ですが、釧路市が主体となったNPOチームを立ち上げそこに選手を戻してほしい、と。その案は私もできれば素晴らしいことだと思いました。しかし釧路市の方は私に対して「今まで岡本さんが、チームにどれだけ出資してるかもしれないが立ち上げるチームはNPOなので、岡本さんの出資した分が引き継ぎない。諦めてくれ」と言われました。
私も、出資したものが返ってこないということはそれはもちろんあることだと思って、ある程度の覚悟はして足を踏み入れたつもりではあります。しかし、「『回収をする機会すら与えられる前に諦めろ』というのは、ちょっとおかしくないですか」と私は反論しました。そうすると、また(聞き取れず)の方から「選手ファーストとか言ってますが、やっぱりお金が大事なんですよね」さらには「岡本さんもいい勉強をしたと思って諦めなさい」と言われました。私はもう自分の言ってることのほうがおかしいのかなぁとなんか本当にその話し合いのときはもう本当に頭が混乱したというか……訳が分からなくて。ただ結果としましては、そのNPOのチームが立ち上がるわけでもなく、かといって、ワイルズを支援するという方針が出るわけでもなく、ただただ時間だけが過ぎていきました。
そして11月に入り、山田から私への代表交代のリリースと、このたびクレインズとワイルズの問題により世間を騒がせたことまたその手法等がいささか行き過ぎたのではないかというところに対する謝罪のリリースをしたことにより、アジアリーグ加盟のレッドイーグルス北海道が交流をしてくれることになりました。しかし、それと同じ時期、釧路市の教育スポーツ課から「アジアリーグに入るのは簡単なんですよ。山田さんをおろしましたが、岡本、齊藤毅も同罪なんですよ。お2人がチームから去ればアジアリーグなんて簡単に入れるんですよ」。(といわれた)
聞いた私は、またここでも頭が混乱しました。なぜ市教委のスポーツ課がこんなことを言うのか、そもそも同罪って何の罪を犯したのか? まったく、未だにわかっていません。
さらに12月に入りまして、日本アイスホッケー連盟さんのご厚意により全日本選手権に出場させていただきました。その真っ只中、新横浜で、私と隣に同席してる篠原GMは栃木日光アイスバックスの日置(貴之)氏と面会をしました。
その場で日置氏は私と武田チェアマンのやりとりが終わり「あなたたちは、アジアリーグを批判し続ける。そんなチームとは一緒にやれない。あなたたちの加盟を認めることは絶対にない」とキッパリ言われました。この12月の半ばにここまで言われてはもうそのとき、同席した篠原も私も、アジアリーグに入れる可能性はないな、とそう思うようになり加盟申請辞退に至りました。1つ目の話題についての説明は以上になります。
北海道ワイルズの今後について
司会:では続いて二つ目の項目。北海道ワイルズの今後についてお話をさせていただきます。
岡本代表:おかげさまで今シーズン、北海道ワイルズを立ち上げまして、横浜グリッツさん、名古屋のサンエスオルクスさん、それからレッドイーグルス北海道さんそしてそのイベントの中で一緒にやっていただいた新日鉄室蘭さん、DYNAXさん、および北京アイスホッケー連盟のチーム。こういったチームの方々に交流戦や練習試合をしていただくことにより、選手としては満足のいく数ではなかったと思いますが、試合機会を確保させていただきました。
また、先ほども申しましたが、日本アイスホッケー連盟様のご協力により、全日本選手権の出場も果たすことができました。まだ、私の地元である愛知県アイスホッケー連盟、さらには滋賀県アイスホッケー連盟の皆様がたからも多大なご協力をいただき、交流や練習試合をさせていただきました。今お話させていただきました関係者の皆様には、本当にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、2024-25のシーズンに関しましては、ワイルズといたしまして、今年も精一杯、アイスホッケーを盛り上げるべく活動していきたいと思っております。
まずは、活動の拠点についてですが、活動の拠点は東京に移したいと思っております。
続いて選手の試合機会の確保についてですが、我々の動きに賛同してくれているチームの皆様がたと、東京・名古屋・大阪の大都市圏において今季もいろいろなイベントや、こういう興業を行っていきたいと。具体的な内容は、先ほどお話ししましたご協力をいただけるチームと現在交渉中でありますので、またそれは改めてお知らせいただきたいと思います。
続きまして選手との契約について。こちらは、完全なプロ契約とデュアルキャリアの併用になります。また、東京・名古屋・大阪間の移動による遠征費の削減、これにより、まずはチームの事業規模を組織縮小させたいと思っております。また東京並びに私の地元・愛知では、もうすでにデュアルキャリアの受け入れ先およびスポンサーの獲得も始まっております。
最後に北海道での活動について。現在ワイルズは標茶町と包括連携協定を結んでいただいております。大変お世話になっております。前期も標津町で夏合宿を行いました。今期以降もそれは継続していきたいと思っております。また、来月2月に行われる釧路での横浜グリッツとの交流戦、これに関しては、標茶町マッチデーということで開催いたします。
来期以降もこういった標茶町とのタイアップは続けていきたいと思っておりますので、これは遠征費の削減と訴えている手前機会は限られてしまうと思いますが、必ず標茶町とタイアップしてのこちらへの支援は行いたいと思っております。
以上が2番目の項目、ワイルズの行動についてのご説明になります。
司会:以上、1点目、アジアリーグ申請辞退に至った経緯とその理由について。2点目、北海道ワイルズのこれからの展望についてお話させていただきました。(②質疑応答(前半)の記事へ続く)
⇒②質疑応答(前半)の記事はコチラ