J・スカルディ監督、中島彰吾キャプテンが意気込み語る
2026ミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選 日本代表記者発表会

8/14都内で行われた会見にて。左から中島キャプテン、スカルディ監督、鈴木強化委員長

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

8月14日午後、東京都内において2026ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪最終予選に向けた男子日本代表の記者発表会が行われた。

日本アイスホッケー連盟が設定したこの記者発表会には男子日本代表のジャロッド・スカルディ監督、中島彰吾キャプテン(レッドイーグルス北海道)、また連盟から鈴木貴人強化委員長が登壇。現地8月29日にデンマーク・オールボーにて開幕する五輪最終予選に向けて、それぞれ意気込みを語った。

初戦はノルウェー。「全員の戦う気持ちを結束させて相手にぶつかる」(J・スカルディ監督)

抱負を語るスカルディ監督。右は佐保豊チームマネージャー

ジャロッド・スカルディ監督は、まず初戦のノルウェー戦でいかに勢いを持って戦えるかが大事だと強調した。
「日本の選手にとってこの最終予選は非常にエキサイティングな挑戦だ。最終予選はみずから勝ち取ったものであり、この大会に向かって選手たちがそれぞれの持ち味をいかに伸ばせるかというところがポイントとなってくる。7月の選考合宿では選手たちが非常に良い競争を見せてくれ、現時点でベストのメンバーを選考できたと思っている。選手には『このチームは勝つチームだ』ということを伝え続けているし、最終予選でも勝利を目標において準備を進めている。ノルウェー、デンマークなどスキルの高いチームと戦うこととなるが、短期決戦ではいかにモメンタム(勢い)を作り出せるかが大事。4月の世界選手権で強豪と競り合えた経験を生かしながら、勢いの出し方も含めてその成果を披露したい」とスカルディ監督は意気込みを語った。

続いて中島彰吾キャプテン(レッドイーグルス北海道)がマイクを持ち、
「個人的にも初めての最終予選ということで自分自身、大会をとても楽しみにしている。選ばれた24人はハードな選考合宿を経て代表の座を勝ち取ったメンバーであり、オリンピックに熱い思いを抱いている24人だと思うので、最終予選にその思いをぶつけたい。気持ちの部分も含めて100%の準備をこれまでしてきたし、現地に入ってからもよりコンディションを上げて初戦に向けて準備していく。相手は強いが、日本のアイスホッケーを120%ぶつければ必ず勝利をつかめると僕たちは信じて戦うので、ぜひファンの皆様も男子日本代表を応援していただきたい」と熱く抱負を語った。

意気込みを語る中島キャプテン

「負けず嫌いな選手ばかり。その強い気持ちを相手国にも全力でぶつける」(中島キャプテン)

その後の質疑応答の時間では記者から登壇者に向けていくつかの質問が投げかけられた。
現地直前合宿でどのようにチーム力を伸ばすプランか、と問われるとスカルディ監督は「初戦にいかに戦うかが非常に重要になってくるので、まずはそこにフォーカスしたい。強い相手に対しては常にアグレッシブに戦わなければならないが、ただ、タイミングによっては自分たちのリズムをコントロールするような場面も出てくるのでそのあたりは確認していきたい。また相手国にはそれぞれ必ずキーになる選手がいると思うが、国によってはそのキーとなる選手に依存してしまう場合もある。それらの選手へのマークも含めて、日本としてはGKも含めて全員が戦う気持ちを持って力を結集して戦うことを徹底したい」と語った。

また、このチームの魅力や良い部分について問われた中島キャプテンは
「負けず嫌いな選手が多いところが良い点だと思います。練習の時にも『隣の選手には負けない』といった気持ちを前面に出してみな戦っていますし、対戦相手にもそういった気持ちでぶつかる選手ばかりなので、そういった部分がファンのみな様に伝わると良いなと思います。また、自分のやりたいプレーを抑えてでも常にチームファーストで戦う気持ちを持った選手が24人揃っている。それも強みだと思います。国内組、海外組関係なく非常に良いコミュニケーションが取れていますので、そういった部分もチームが一つになれる要因だと感じています」と語ってくれた。

<鈴木貴人強化委員長 コメント>
「3次予選では世界ランク18位のハンガリーを破って日本は最終予選進出を決めており、4月の世界選手権DivーIAでもイタリアやスロベニアなど強いチームとも接戦に持ち込むなどチームとして自信になっている部分もある。ランキング10位台後半の国々は非常に力が拮抗しており、選手たちは良い戦いをしてくれると思う。スカルディ監督とも『現在のベストのチームを作ろう』との共通認識のもとハードな選考合宿を行い、良い準備ができている。100%チャレンジできる3カ国が相手。大きなチャレンジとなる大会だが、私自身も日本代表の戦いを楽しみにしている」

質問に答える中島キャプテンをスカルディ監督が見守るシーンも

ノルウェー、デンマーク、イギリスの順に対戦。ネット中継も予定あり

現在世界ランキング24位の男子日本代表は五輪最終予選においてグループFに振り分けられた。11位のデンマーク、12位のノルウェー、17位のイギリスと総当たりのリーグ戦を行い、1位になったチームのみが2026ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場権を得る。

<2026ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪最終予選グループF 日本の試合予定>

8月29日(木)22:30 対ノルウェー(世界ランキング12位)
8月31日(土)2:30 対デンマーク(同11位)
9月1日(日)19:30  対イギリス(同17位) ※時間はすべて日本時間

また連盟からは、最終予選における日本の試合をライブ配信できるよう現在交渉中であり、決定しだい配信チャンネル等を発表するというアナウンスがあった。

男子日本代表は8月15日に日本を出発、現地8月15~25日までデンマーク・ヘアニングで事前合宿を行う。8月23日と25日には現地のクラブチームとの練習試合も組まれておりその内容も加味しながら最終の選手リストを決定するとのことだ。その後会場であるオールボーにて調整を行い、最終予選に臨む。

男子日本代表が最終予選に進出したのは2大会ぶり。最終予選で1位となれば、自力では1980年レークプラシッド大会以来の五輪出場を勝ち取る。開催国枠で出場した1998年長野大会から数えても26年ぶりとなる。

スカルディ監督のもと、五輪最終予選に臨む男子日本代表。ぜひ120%の力を発揮して、デンマークの地で相手国を次々と驚かせるような試合を展開してもらいたい。

・男子日本代表メンバーリストはこちら
最終登録ではこのメンバーリストから1名が外れる形となる。GKのベンチ入りは2名。

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