アイスホッケー日本代表監督 ペリー・パーン氏に聞いた5つの質問<男子世界選手権ディビジョンIB@エストニア・タリン>

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

最終戦、勝てばIB優勝&昇格のウクライナ戦を前にペリー・パーン日本代表監督(ヘッドコーチ)に質問したところ、回答をいただきました。Twitterでアップした速報版回答のまとめページです。

質問は大きく分けて5つ

1)ここまで4戦4勝、チームへの評価は?
2)今回の日本代表のチームコンセプトは?
3)苫小牧の事前合宿で選手を多く呼んだ理由は?
4)今後の日本代表の育成について
5)ここまで指導されてきたチームと日本代表との違いについて感じていること

質問1)ここまで4戦4勝、チームへの評価は?

答え) ・ゴールドメダルゲーム(ウクライナとの決戦)に向けて、ここまで良く順調にきている。良い面もたくさん現れている。例としては(スペシャルプレー以外の)5人対5人のプレーの状況での失点が少ない点が挙げられる。
・チームコンセプトである、相手が得点できにくいチームを実現してくれているし、スペシャルプレーでも2位のデータが出ており、守りに関しても非常によくやってくれていると思う。
・攻撃面を最後の試合となるウクライナ戦に向けて上げていければと思っている。

質問2)今回の日本代表のチームコンセプトは?

答え) ・守りが強いチームを作ることが今大会に向けてのコンセプト。正しく適切なポジショニングの守りから攻撃へ早くトランジション(攻めへの切替)できるチームを目指してきた。適切なポジションで守ることが良い攻撃へと繋がるという考えで取り組んで来た。
・選手がパックを持っていないときのプレーに優れたチーム。今大会はそれが実現できている ・ミドル(リンクを縦に3分割したときの中央の部分)を使った攻撃を展開したい。ニュートラルゾーンでもまん中からの展開が増えることによって攻撃のバリエーションが増える。
・スペシャルチーム(ペナルティーキリング&パワープレー)に自信を持ったチームにしたい。今大会も含めパワープレーは岩本コーチが、守りについては山中コーチが非常に良い仕事をしてくれているのでそれが出来ていると思うし、今大会のスタッツ(記録)にも表れている。

質問3)苫小牧の事前合宿で選手を多く呼んだ理由は?

答え) ・2試合にわたり評価試合を行いたかったので、多くの選手を呼んだ
・実績あるベテラン=チームにコミットできる選手を選んだし、半面アンダー20や18、ユニバなどで自信を持ってプレーしていた選手も引き上げたかった。若い選手にも経験を与え、ベテランから学ぶ機会についても考慮した。それによって日本の選手層を厚くしたかった。
・今大会で榛澤、中島(照)、石田、床、米山といった若い選手が大きく成長してくれた。
・苫小牧でのセレクションキャンプが出来たことは良かったと思っている。
・私たちスタッフ陣は、日本のベストメンバーを大会に連れてくる責任があると思っている。大会で優勝するためにベストチームを選考した。

質問4)今後の日本代表の育成について

答え) ・日本には良いシステムがあり、良い選手をできる限り国内でも育てようという形があることを知っている。
・海外で成長している選手もいる。それらは継続していかなければならないが、一方で必要なのはハイレベルの国際試合。そういった国際試合を増やすことが重要だと考えている。それが選手育成のためには必要だ。

質問5)ここまで指導してきたチームと日本代表との違いについて感じていること

答え) ・日本チームはみな学ぶ姿勢が高く、とてもコーチングしやすい。チームコンセプトもすぐに理解し、複雑なフォーメーションの理解度も早く、高い。「やりきること」についても優れたチームだと感じている。
・北米だと何度も話をしないと理解しない選手もいるし、個人プレーに走る選手もいる。それと比べると日本はどんなジュニアカテゴリーの選手も規律を守ってプレーするのでコーチしやすい。いっぽうで、ホッケーIQの部分でまだ他国に後れを取っている部分がある。 そこは上げていってもらいたい部分だ。

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