3/15(土)に「お披露目試合」開催も発表。スターズ神戸が尼崎でトライアウトを実施

20名がロスター入りをかけてスターズ神戸のトライアウトに参加した

取材・文/アイスプレスジャパン編集部 撮影/編集部

 神戸という大都市を本拠地としたアジアリーグアイスホッケー加盟チームを目指して、スターズ神戸の準備は着々と進んでいる模様だ。
2月15、16(土日)の両日、神戸を拠点とするアイスホッケーチーム、スターズ神戸が兵庫県・尼崎スポーツの森アイスアリーナを会場に2日間にわたって選手トライアウトを実施した。
 スターズ神戸は今秋開幕を予定しているアジアリーグアイスホッケー2025-26シーズンへの加盟申請を提出している。この日のトライアウトには、兵庫、大阪のアイスホッケーチームの選手やコーチングスタッフなどが多数観覧に訪れていた。またアジアリーグ他チームの関係者も視察に訪れるなど、スターズ神戸の動向にアイスホッケーファンや関係者の注目が相当に集まっていることを感じさせる2夜となった。

トライアウトを前に、参加メンバーは外崎慶さんのコーチングで1時間半ほど練習しフォーメーション等を確認

 トライアウトには総勢20名の選手が2日間にわたり参加した。初日はトライアウトを行う前の1枠約1時間半を使い、SEIBUプリンスラビッツや日光アイスバックスでプレーした元アジアリーガー・外崎慶氏によるコーチングのもと練習をおこないフォーメーションなどを確認。その後19時過ぎからトライアウトの時間へと移った。参加メンバーを2チームにふり分けてのトライアウトは、関西学院大学アイスホッケー部の協力をを得て3ピリオド20分ランニングタイム(※)での試合形式で行われた。

コンビネーションを合わせるために言葉を交わし合う

 参加メンバーについては、地元兵庫の選手や日本の各クラブチームで活躍する選手、さらには海外から韓国の大卒選手のほかインドネシアや中国、アメリカ、イギリスからの参加者もおり非常に国際色豊かなトライアウトとなった。トライアウトの合否については外崎氏はじめスタッフによる精査が行われた後、チームから各選手に通達されるとのことだ。
※ランニングタイム=ペナルティ等で時計を止めない試合形式

各国から参加者が集まり国際色豊かなトライアウトとなった


 さらにトライアウトを終えて数日後の今週2/20にスターズ神戸はチーム初となる対外試合開催を発表した。
主催試合として「牛乳石鹼presentsスターズ神戸 FIRST GAME」と題し、3/15(土)19:20試合開始で横浜グリッツとの交流試合を行うことを発表した。会場は尼崎スポーツの森アイスアリーナ。18時からは兵庫・神戸・滋賀小学生選抜vs大阪府小学生選抜の試合も行われる。
急きょ発表されたこの試合は実質的にスターズ神戸の目指す方向性やチームカラーをお披露目する試合となる。2/15、16のトライアウトの結果も受けて、どんなチームとなってアジアリーグの横浜グリッツと対戦するのか非常に楽しみだ。

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”世界で活躍できる選手を輩出する” その目標に向かって着実に進む

2日間のトライアウトを終えて、現在のチーム作りの進捗についてスターズ神戸の黒澤玲央代表に話を聞いた。(※インタビュー日は2/16)

ーーまずはトライアウトを終えていかがですか?
「さまざまな国々から選手の皆さんがチャンスをつかみ取ろうと言う気持ちでこのトライアウトに参加してくれること自体に非常に感謝しています。今後トライアウトについてはもう1回行うかどうかをチームで検討している段階です」

ーーアジアリーグ参加資格要件に選手数を最低15名用意しなければならないとあります。そのメドは?
「選手については集まっている状況です。手続きはこれからの部分もありますが、『一緒にやって行こう』と話している選手は15人以上おります。若手の日本人選手については通年でリクルーティングをしていて、その中でポイントポイントでトライアルを行い選手選考をしていく予定です。それに加えて昨年韓国で行ったトライアウトおよび今回の尼崎でのトライアウトでの選手選考もありますし、またリーグ参戦が決まれば例年同様に選手たちに動きがあるなかで獲得にも動いていきたいと思っています」

--スターズ神戸はどんなチームを目指していきますか?
「新規参入するにしてもアジアリーグの競技レベルを落としてはいけない、という思いはあります。そのうえで、”世界で活躍できる選手を輩出する”、という思いで進めていきたい。高校大学を卒業してその受け皿となるチーム、というだけではなくジュニアレベルから上を目指してやっていける、10代からチャレンジできる、そんなチーム作りを外崎と考えています」

ーーチームの運営面についての進みぐあいはいかがですか?
「スターズ神戸は現在、いわゆる親会社がないなかでクラブOB中心に出資やスポンサードをいただいてスタートしている形ですが、その支援を地域の企業様や県外の企業様にもご支援いただいて着実に進んでいる状況です。さらにこれからアイスホッケーという競技をより多くの経営者、地域有力者に見ていただいて地域の輪を広げていく、そこを1つ中期的な計画を持って進めて行こうと考えています。そのあたりは現在調整中ですが、まずはアイスホッケーの試合の面白さ、エキサイティングな楽しさを知ってもらうための機会を用意していきたいと考えています。スポンサードについては神戸という土地柄もあり、ローカルの企業や団体様だけでなく全国にナショナル展開している企業様へも数多くご提案を差し上げているところです」

アイスホッケーを見るチャンスの少なかった都市にチームができ、生まれる可能性

 スターズ神戸のアジアリーグアイスホッケー加入に向けてはまだいくつかのハードルがある。アジアリーグアイスホッケー事務局側に申請書類は受理されてはいるものの、4~6月頃に行われるであろうアジアリーグ実行委員会や総会によるヒアリング・選考などもあるという状況だ。
 しかしながら神戸という土地にプロのアイスホッケーチームができれば、西日本においてもアイスホッケーの試合をみられる機会が増え、ファン/サポーターの拡大やジュニア世代への普及にもおおいに好影響を与える事は間違いない。スターズ神戸の取り組みが良い形で成就するよう願っているファンや関係者は多く、それはトライアウト、また3/15のお披露目試合への注目が集まっていることも1つの証明だろう。アイスホッケー界を良い方向に変えてくれる可能性と輝きを持つ『新星』として、スターズ神戸の取り組みにますます目が離せない。

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