いよいよ今週末!『<HJR>氷刃の乱』をなぜ開催するのか?
平野裕志朗選手が大会に向けて熱く語る

『氷刃の乱 | 2025』の公式ビジュアル

取材・文/アイスプレスジャパン編集部

「全員主役、全員本気。」
6月7日(土)、8日(日)。福岡の地でアイスホッケー史上初の試みが行われる。
『HJR | 氷刃の乱2025』 (主催/平野裕志朗、主管/合同会社YHC、後援/日本アイスホッケー連盟・福岡県アイスホッケー連盟)が福岡市博多区のオーヴィジョンアイスアリーナ福岡(旧パピオアイスアリーナ)で開催。
チケット販売サイトや公式グッズ、大会公式SNSへのリンク>https://lit.link/hjrhockey

日本代表選手をはじめ日本トップレベルのプロ選手32名が福岡の地に結集、3オン3の形式で試合を行い頂点を目指す。すでに公式SNSで発表された参加選手は超豪華なメンバーばかり。各チーム8人が4チームに分かれ、まさにこの大会のためだけに集うドリームチーム同士が福岡の地で覇権を争う。

大会は2日間にわたって行われるが、公式SNSによると下記の様な日程となっている。

◼︎6/7(土)1日目(12:45〜18:00※) 4チーム総当たりによる予選
1試合10分間(予定) 全6試合
◼︎6/8(日)2日目(11:40〜14:00※) 3位決定戦 & 決勝戦
1試合14分間(7分の前後半2ピリオドで実施)
※両日ともオープニングセレモニーや交流会の時間含む

この大会では試合の他にもスクールやファン交流会などさまざまなイベントを実施予定。場内MCもアイスホッケーファンにはおなじみのissyさんが担当するなどファンを盛り上げる工夫がさまざまに凝らされるとのことだ。ぜひ、今週末は福岡でアイスホッケーの魅力を堪能してほしい。

「選手発の大会」で日本アイスホッケー界を盛り上げて行く

この大会『HJR | 氷刃の乱2025』は今季初開催となる。そしてこの大会開催に向けて奔走した主催者/発案者はアイスホッケー日本代表のエース、平野裕志朗選手。平野選手の呼びかけに日本のトップ選手が次々と賛同してこれだけの豪華メンバーが福岡に集うこととなった。

『HJR | 氷刃の乱2025』参加メンバーはコチラ(一覧に飛びます)

↑参加メンバーはドラフト会議で各チームのキャプテン(所正樹選手、小林斗威選手、米山幸希選手、石田陸選手)がピックアップ。その様子はYouTubeのY'sチャンネルhttps://www.youtube.com/@yschannel2231にアップされている

では平野裕志朗選手はなぜ、この大会を立ち上げようと思い立ったのか? 大会を前にその思いをあらためてインタビューする事ができたのでぜひご紹介したい。

平野裕志朗選手(写真提供:合同会社YHC)

『全員主役、全員本気。』このキャッチフレーズに込められた思いとは?

なぜこの大会を発案したのか? その問いに平野裕志朗選手は自身のアメリカでの体験が元となっていると教えてくれた。
「アメリカではオフシーズンに3オン3のプロとして活動している選手も結構います。選ばれた選手しか出場できないしっかりしたリーグが運営されていて、それが仕組みとして確立していることを自分でも見てきました。日本ではオフシーズンにファンの方々がアイスホッケーを見る機会が少ないという事もあり、ファンの方々にもっと盛りあがってもらえるような仕組みを作らなければいけないとずっと思っていました。そこでぜひやってみようと、多くの方々の協力を得て実現に向けて動きだしました」(平野選手)
もう1つ、アイスホッケーの3オン3が将来的に冬季五輪競技になるかも知れない可能性についても平野選手は言及。「IIHF(国際アイスホッケー連盟)も3オン3の五輪競技化を進めていきたいと考えていることは情報として出ています。そこに関して日本も出遅れてはいけないと考えています。自分は現役選手ですけれども発言できる立場の1人としてそういう機会を促していければとも考えました」(平野選手)

今回の大会では、アジアリーグをはじめとするアイスホッケーの試合でオーバータイムに採用される各チーム3人+GK1人のフォーマットで試合が行われる。「アイスホッケー延長戦の緊張感をぜひファンの皆さんには思い切り楽しんでほしい」と平野選手。「自分が福岡連盟の方々に協力いただきつつスクールなどを続けてきました。そのなかで、一時期リンクが閉館しかねない状況に陥っても福岡の地域のみなさんやアイスホッケーのみならずスケート界全体で署名を集めてそこを乗り切った、生まれ変わった、という経緯も知っています。関わった1人として本当にそういった頑張っている地域をもっと盛り上げていかなければならないという思いもあって今回会場を福岡に選びました」とこの大会が福岡で行われることになった理由も教えてくれた。

平野裕志朗選手とのインタビューはリモートで行われた

そして、大会の公式SNSを見ると目を引くのが『全員主役、全員本気。』というキャッチフレーズだ。

「『HJR | 氷刃の乱』は今後日本のアイスホッケー界が盛り上がっていくためには欠かせないイベントになると思っています。そのなかで大会として『世の中に何を伝えたいか?』を考えたとき、このイベントを通じて、『関わる人たちがみんなで日本アイスホッケー界を盛り上げる』という気持ちを大事にしたい。みんなが本気で取り組んで、みんなが本気で変えたいと思って、参加してくれる選手たちと関係してくれるスポンサーの皆様やスタッフなども含め、そういった人たち全員が『みんなが主役で、アイスホッケーを盛り上げるぞ』っていう……そういう繋がりを作りましょう! という意味を込めて運営チームとも話し合ってこのキャッチフレーズに決めました。参加する全選手もその思いに賛同して集まってくれたと思っています」(平野選手)

これほどの豪華メンバーがオフシーズンに集まる大会は過去にも例がない。そのベースにはやはりそれぞれが「日本のアイスホッケーを盛り上げたい。なんとかしたい」という気持ちが結集したからだとも感じている。大会を準備してきた主力スタッフの1人は「この大会を絶対に成功させたい、と思っていますし私達としても関わってくれる全員が本気でやってくれるからこそ、この大会が成立すると思っています。そういった多くの支援者の皆さんへの感謝を絶対に忘れたくない、という気持ちを常に思っているからこそ『全員主役、全員本気。』という言葉をとても大切にして準備しているんです」とも話す。現役日本代表選手が発案・主導して開催が決まったという異例の経緯にはアイスホッケー界発展への願いが込められている。

「大会については今季だけではなくて来年以降も続けられる形で進めて行きたいと思っています。まずは最初の大会である福岡での2日間を充実したものにすること。僕らも『全員主役、全員本気。』でプレーするので、ぜひファンの皆さんも一緒に試合もイベントも思いっきり楽しんでほしいと思っています」(平野選手)

今週末、福岡の地を舞台に「アイスホッケーを愛する全員」の大いなる挑戦が始まる。

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