【全日本B】新しい風が吹いた。滋賀ブルーライズIHC、全日本(B)”待望の1勝”とこれから

初の全日本(B)はベスト8。滋賀ブルーライズの挑戦がスタートした 写真:チーム提供

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部 写真提供/滋賀ブルーライズIHC

<第59回全日本選手権(B)滋賀ブルーライズIHCの戦績>
2/27(木)1回戦 
会場:テクノルアイスパーク八戸(八戸新井田リンク) 観客数:未公表
滋賀ブルーライズIHC 3(0-0、2-0、1-0)0 ケッターズ
ゴール:【滋賀】長谷川、佐曽谷、渡辺 【ケッターズ】なし
GK:【滋賀】石田 【ケッターズ】佐藤
シュート数:【滋賀】54(15、25、14) 【ケッターズ】38(9、11、18)

2/28(金)2回戦
滋賀ブルーライズIHC 4(0-2、1-3、3-0)5 苫小牧市役所IH部
ゴール:【滋賀】佐曽谷、飯田、渡辺、小林 【苫小牧】野澤x3、髙田、入倉
GK:【滋賀】石田 【苫小牧】石川⇒黒川
シュート数:【滋賀】34(15、6、13) 【苫小牧】44(17、20、7)

⇒滋賀ブルーライズはベスト8

 昨年冬にチーム立ち上げとなり、近畿代表としてこの全日本選手権(B)に参戦した「滋賀ブルーライズIHC」が大会初勝利をあげた。勝てば全日本選手権(A)への出場権獲得の可能性が高かった2回戦の対苫小牧市役所IH部との試合でも大健闘。レッドイーグルス北海道で活躍した元アジアリーガーの百目木政人選手はじめ実力者ぞろいな北海道の強豪に対して序盤はリードを許したものの、第3ピリオドに怒涛の追い上げを見せて1点差にまで肉薄し、あとわずかでベスト4進出もあったという試合内容はあっぱれのひとことだった。

 第79回国スポ(国体)冬季大会で結成されたチームを母体にさらなる強化を果たしてこの八戸での全日本選手権(B)に臨んだ滋賀ブルーライズIHC。全日本選手権(B)を1勝1敗という成績で戦い終えた今、どのような手ごたえをつかんでいるのか? また今後に向けての課題は見つかったのか?
 リンクの中ではキャプテンを務め、リンク外では代表としてチーム作りに奔走する佐曽谷哉太選手にインタビューを行い今後へ向けての展望も含め聞いた。(インタビュー日は2/28)

「関西圏で選手を育て、ブルーライズに入ることが目標」というチームを目指す

佐曽谷哉太キャプテン 撮影:編集部(2/21 滋賀での練習時) 

――まずは大会お疲れさまでした。試合を振り返っていかがでしたか?

佐曽谷哉太代表(以下「 」内は佐曽谷代表の発言)>
「まずは応援いただいた多くの方に感謝をお伝えしたいです。ありがとうございました。苫小牧市役所のチームは元アジアリーガーもおられますし大学でもトップのレベルでプレーしていた選手が多く、なおかつメンバーは登録上限の22人が揃っていました。我々ブルーライズは13人の2セット回しで臨みましたが北海道の強豪チームから第2ピリオドまでに1点を取れたこと、それを自信に繋げて最後のピリオドは『全員で戦おう』と声を掛け合って臨みました。第2ピリオドまでの改善点を確認しつつ第3ピリオドでは本当にチームが1つになって戦えたと思います」

――その第3ピリオドでは苫小牧市役所から3点を奪って、あと一歩まで迫りました

「アイスホッケーを知っている人に話を聞けば100人中100人が『苫小牧市役所が勝つ』というような評価だったと思います。そんななかで結果を残すために、どうすべきかを大会前の練習やミーティングでも徹底的に話し合い、『全員で1つの方向を向けば勝てる』という思いを共有してこの大会に臨むことができました。とにかくゼロで終わる時間帯を少なくしよう、という意思統一をして第3ピリオドは若さを武器に『走って戻って、運動量をとにかく多くしてプレーする』ことを徹底したことでまず1点を取れたことが流れを引き寄せたと思っています。その一方で勝ちきれないところがまだまだ経験や歴史の浅いチームであるという弱点を見せてしまいました。『惜しい』では意味がない。もし全日本選手権(A)の権利が取れていたら、全日本(A)で勝つということを目標にもう一歩先のチーム作りができたはず。その点は非常に悔しく思っています」

少ない人数ながら苫小牧市役所戦では第3ピリオドに盛り返した 写真:チーム提供

――しかしこれだけの短い準備期間ながら全日本(B)で勝てるチームを作れた。今後の方向性は?

「我々ブルーライズとしては将来的にトップリーグ加入を目指して数年単位でチーム作りを進めていく計画です。今回全日本(B)に参加していろいろと分かった点も多かったので、よりシフトアップして全日本選手権(A)に出場できるような強いチーム作りを進めていきます」

――プレイヤーとしてはこの大会はどう感じましたか?

「僕自身は純粋にプレーヤーとして思いっきり楽しめた大会でした。社会人として日本一を目指せるという場を作っていただいている多くの方々に感謝したいです。実際この大会に参加して、全日本(B)でいつか優勝したいという思いも強くなりました。参加して本当に良かったと思っています」

日ア連“下部リーグ構想”への対応は?

もしかしたら関西の高校・大学からトップリーグへ、というルートも将来的には開拓されるかもしれない 写真:チーム提供

 滋賀ブルーライズIHCの存在があることで大学卒業後もアイスホッケーを続けられる道ができること。また、関西圏の大学からも良い選手が入ってくるような流れを作りたい。今回の全日本(B)で1つ勝てたことを大きな第1歩としたい、と佐曽谷代表は話してくれた。

 そんななか、気になるのが先日2月13日に日本アイスホッケー連盟(以下、日ア連)から発表されたいわゆる“下部リーグ構想”だ。滋賀ブルーライズは従来から次の2025‐26シーズンは準備期間でその次の2026‐27シーズンからのトップリーグ参戦を目標とする、という立場を貫いてきた。突然降ってわいたようにもファンからは見える“下部リーグ構想”は、日ア連の計画だと今年2025年秋にはリーグが開幕するというスケジュール感だ。これに対して滋賀ブルーライズIHCそして佐曽谷代表は現時点でどう考えているのか、聞いてみた。

――“下部リーグ構想”については現時点でどう考えていますか?

「いまのところ“下部リーグ構想”については日ア連の公式サイトに載っているもの以外の情報がありませんが、これから日ア連による説明会なども行われると聞いています。まずはお話を聞いてしっかりした情報を得てから考えていきたい、という回答になります。ただ、チーム作りを進める中で2年後以降にトップリーグに参戦するという目標へブレずに取り組んでいきたいです。“下部リーグ”参戦がそこに役立つという形になるならチームとして検討していこうという話になると思います」

 今後日ア連からの情報等も含めていろいろな動きがあることは予想されるが、「目標はブレずに。滋賀の地でしっかりと地に足をつけて進んでいきたい」と佐曽谷代表。実際にチームに接してみると若い選手が多く柔軟な考え方、またオープンな雰囲気も感じさせられたのは新鮮な感覚だった。
まだ20代と若き代表が率いるこのチームの動向に引き続き注目していきたい。その前に八戸での全日本選手権(B)で見せた滋賀ブルーライズIHCの戦いぶりは十分にポテンシャルがあることを示してくれていた。

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