『質の高いチアパフォーマンスで皆さんをお迎えしたい』
1シーズン伴走し続けた”ICE CREW”。交流戦ラストゲームへの思いに迫る
取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部 写真提供/名古屋オルクス
新たな試みである”夏のアイスホッケー”として6月15日にスタートした“対抗戦”シーズンもいよいよ最終戦。
『名鉄観光 presents 名古屋オルクス ホームゲーム名古屋オルクス vs 東京ワイルズ エキシビションマッチ in ガイシアリーナ』が11/16(土)、名古屋・日本ガイシアリーナを会場に行われる。
名古屋オルクスによるプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000151307.html
名古屋オルクスは最終戦の会場に、2000人以上の観客を迎え入れることが可能な日本ガイシアリーナ(旧・名古屋レインボーホールアリーナ)を選んだ。
「名古屋をアイスの街にする!」を合い言葉に地域密着型のチーム作りを進めてきた名古屋オルクス。昨季のチーム再結成からここまで着実に歩みを進めてきたが、今後の発展を見据えて、最終戦は大規模会場での興行に踏み切った。
そんななか、6月の開幕戦から会場に爽やかな彩りを運んできてくれていた「ICE CRUE(アイスクルー)」も11/16(土)日本ガイシアリーナでの試合を心待ちにしている。大きな会場で思いっきりのパフォーマンスを披露して、観客とともに試合を大いに盛り上げたいと「ICE CRUE」のメンバー全員が意気込んでいる。
「IJ ICE CRUE」として6月の開幕戦から活動。弾ける笑顔で応援を繰り広げる「ICE CRUE」メンバーの存在は、今となってはまさしくこの交流戦の試合になくてはならない存在となっている。
1シーズンの活動経験を通して「ICE CRUE」のメンバーは今、どんな思いでいるのか? 彼女たちを率い、成長を見守ってきた鈴木美帆ディレクターにスタジオでお話しをうかがった。
(※以下、「ICE CRUE」をアイスクルーと表記)
「今までになかった新しいチアの形を創りあげたかった」(鈴木さん)
「いままではスペースの制約もあって、観客の皆さんと向かい合ってのパフォーマンスができなかったのですが、日本ガイシアリーナでは新しいパフォーマンスも準備しているので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」と鈴木さんは次の試合への意気込みをまず語ってくれた。
ガイシアリーナでの試合は選手のみならずアイスクルーにとっても大きな舞台。メンバーたちはその舞台で最大限の表現をファンに見せたい、と現在トレーニングに余念がない。
「アイスクルーとして、『観客の皆さんを質の高いパフォーマンスで毎試合お迎えしたい』という想いを強く持っています。今回日本ガイシアリーナでの試合ではその部分もぜひ見ていただきたいです。試合以外の楽しみやいわゆるエンターテインメントの部分は最大限私たちで演出していきたい、と思っているので、良かったらぜひ早めに会場に来ていただいて楽しく過ごしていただければと思います」
フェイスオフは15時30分だが、開場は14時ごろを予定している。少し早めにガイシアリーナに来ていただいて、アイスクルーのパフォーマンスもぜひお楽しみ頂きたい。開場内外ではキッチンカーや売店も出店しており賑やかに試合は開催される。今まではできなかった氷上でのパフォーマンスも何かできないかと、メンバーは深夜にスケートリンクで練習していた。アイスクルーのメンバーはそんな熱い想いを持って11/16(土)の試合に向けて準備している。
ICE CREWのメンバー紹介はコチラ
11月16日(土曜日)15:30 Face Off
— 名古屋オルクス【公式】 (@nagoya_orques) November 5, 2024
vs東京ワイルズ @日本ガイシアリーナ
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「新しい応援文化を創りあげたい」その思いで毎試合全力疾走
旧IJリーグ、また続く交流戦での両チームはコンセプトに「開拓」をかかげ、これまで盛んだった地域以外の大都市圏でもアイスホッケーを定着させようと頑張ってきた。そんな名古屋オルクス、そして東京ワイルズの試合に1シーズン伴走してきたアイスクルー。鈴木さんは最終戦を控えた今、メンバーへの感謝の気持ちで一杯だという。
「試合のたびに、メンバーの頑張りには心を動かされてばかりで。とにかく60分間大きな声を出し続けて観客の皆さんとともに会場を盛り上げようという姿には、毎試合私自身も感動させられていました」
メイン会場となった邦和みなとスケートリンクの観客席は最前列にスペースがなく、そこにメンバーが立ってしまうと観客の視線をさえぎってしまう。そのためインプレー中にはリンクを挟んだ逆側と観客席の後ろ側の通路に位置して応援するしかなかった。でもそんな状況でもメンバーは大きな声を出し続けた。
「ある意味、声を出すことは応援の神髄とも言えると思います。プロのチアとしてその姿勢を常に見せてくれていた。本当にその点はメンバーのパフォーマンスに誇りを持っています」
6月開幕当初は、IJリーグのチアパフォーマンスグループとして発足したアイスクルー。その時はリーグ側との話し合いで「リーグ全体を応援するチア」と言う位置づけでのスタートだった。所属3チームのホームゲームでそれぞれ『常にホームチームを応援する』というスタイルだ。
アイスホッケーという競技自体を盛り上げるための取り組みだったが、今までに無かったスタイルを作り出していくにあたってはやはり最初は戸惑いがあったという。それはメンバーにも、観客にもだ。
「名古屋ではバスケBリーグなどプロチームも多くあり、チアリーディングが盛んな土地柄ですが、アイスホッケーのチアはもちろん初めてでした。ただ私自身アメリカではNHLでもプロのチアスタイルが確立されているのは知っていたので、最初このアイスクルーの構想をうかがった時は、NHLなども参考にしながら名古屋に今までなかったものを創りあげたいという気持ちでした」と鈴木さん。そんな思いで創りあげたチアパフォーマンスだったが、当初は観客から「昨日はオルクスを応援していたのに、なんで今日はワイルズの応援なんですか?」という質問を受けることもしばしば。
その都度「アイスクルーはリーグ全体を応援する」というコンセプトを説明して理解をしてもらおうと努めた。当時は、リーグ公認のチアパフォーマンスチームとして双方のチームを応援することの難しさと楽しさを試合のたびに実感していたという。
「初めのころはやはり声を出すとか、手拍子をするといったアクションもなかなか引き出せなかったのですが、試合を重ねるたびに、それぞれのお客様からアクションが見られるようになって。そうしているうちにどのチームのお客さんからも、『今日は私のチームを応援してくれるんだね』とか『明日はワイルズなんだね』と受け入れてくれて。ホームチームを応援するチアリーダーという点がだんだんと浸透するたびにお客様からもどんどん声をかけていただけるようになりました。アイスホッケーファンの語ってとても温かいんだなぁ、と」(Mizukiさん)
「その日のホームチームを応援する、というのは私の中でも固定概念があって最初はちょっと戸惑いました。でも応援してくれるファンの皆さんもそれをすごく楽しんでくれる様子を目の当たりにして、私もそこは壁を越えたというか、すごく楽しんで応援できるようになりましたね。私たちとファンの皆様との距離も近いのでその熱気もすぐに感じることができるのですが、試合のたびに皆さんがとても応援自体を楽しんでいただいているのが分かります」(Namiさん)
IJリーグの演出チームは、バスケBリーグなどの会場での経験も豊富。IJリーグのコンセプトとして「DJや音楽のパフォーマンスも交えながら観客と選手が一体化して盛り上がれる今までのアイスホッケーにはない空間作り」を目指していた。今にも通じるその考えは、アイスホッケーをこれまで知らなかったファン層にもその時間を思いっきり楽しんでもらいたい、という点をベースとしている。
しかし、前例のないスタイルだっただけに定着まではやはり時間が掛かった。そんななか、メンバーたちの頑張りで少しずつその思いはファンにも浸透していった。鈴木さんも試合を重ねるたびに会場の雰囲気が変わってきているのは感じていたという。
「シーズン後半に入って、『どちらも分け隔てず一緒になって楽しく応援する』といったところは浸透して来たのかな、と感じました。例えばダンスタイムやプレゼントタイムで両チームのファンがそれぞれのタオルを掲げて楽しく踊っていただいたり。あと、子どもたちがクルーメンバーの近くに集まって思いっきり踊ってくれたりとか。そういう意味で取り組みは実を結んできたのかなと思います」
突然のIJ解散も……転じてアイスホッケーを次のステージへと引き上げるきっかけに
そうやってファンとともに名古屋の地で新しい応援文化を創りあげてきたアイスクルーだが、9月に衝撃の発表が走った。「IJリーグ解散」の知らせだった。
「リーグ公認のチアパフォーマンスクルーとして活動してきたので、発表の当初は本当に先行きも分からず、私たちはどうなってしまうんだろうかと。ただ責任者としてメンバーのこの子たちを指導してきたので、メンバーたちをこのまま終わらせる訳にはいかないという気持ちが強かったです」と鈴木さんはその頃を振り返る。
不安が募るそんな日々を過ごしたあと、リーグを引き継いだスタッフからこんな声が掛けられた。『IJという名前はなくなるけれどもアイスクルーは変わらず両チームを応援してほしい。この応援スタイルを作れたのはアイスクルーの存在があってこそだから、変わらずに続けてやってほしい』、と。
「両チーム責任者の方々とお話をさせていただいたときにその言葉をもらって、この取り組みをやってきて良かった、と心から思いました」と鈴木さん。「『開拓』というテーマを掲げたなかで、私達は応援することを通して新しいスタイルを開拓できたと思っています。そのことに関する結果は変わらないし、この1シーズンはアイスホッケーが次のステージへと向かうきっかけだった、といつか言えるようになったら良いですね」(鈴木さん)
来年以降の形はまだ未確定で、この応援スタイルが続くのかどうかは分からない。ただ、そんな状況の中でもアイスクルーのメンバーはとびきりの笑顔でファンとともに大きな声を出して応援を繰り広げてくれるだろう。
11/16の試合ではこんな熱い想いを持って応援を繰り広げる「ICE CREW(アイスクルー)」のパフォーマンスにも注目だ。ぜひ日本ガイシアリーナに会いに来てほしい。
<試合情報>
『名鉄観光 presents 名古屋オルクス ホームゲーム名古屋オルクス vs 東京ワイルズ エキシビションマッチ in ガイシアリーナ』
◇試合日時:2024年11月16日(土) 15時30分試合開始(開場14:00)
◇対戦カード:名古屋オルクス vs 東京ワイルズ
◇場所:日本ガイシアリーナ(名古屋市南区東又兵ヱ町5丁目1番地の16 TEL: 052-614-7500(代表))
◇アクセス:JR東海道線笠寺駅より徒歩約5分/名鉄本線本笠寺駅、名鉄常滑線大江駅よりそれぞれ徒歩約15分
<チケット発売概要>
チケット:S席:2,500円 / A席:1,500円 / 自由席:1,000円
販売サイトURL:https://r-t.jp/orquese_exhibition