スマイルジャパン、善戦もグループA入りならず。史上最高位の6位で大会終える

取材・文/アイスプレスジャパン編集部

局面では通用する部分もあったがROCに0得点に抑えられ、勝利とはならず(※画像はキャプチャ)

世界選手権 5位決定戦 対ROC戦 記者会見の模様をお届け

2週間近くにわたって行われてきた、IIHF女子世界選手権もついに最終日。
グループAで4位だったROC(ロシア五輪委員会)との試合が大会最終戦となったスマイルジャパン。2014ソチ冬期五輪の時には日本とロシアは同じグループで戦っていたものの、現在は世界ランク4位とやや先を行かれていた状況。それ以来対戦がなかったが、久方ぶりのROC=ロシアとのマッチアップとなった。

第1ピリオド7:09に日本は先制を許して、厳しい戦いを強いられる。しかしその後、体格・スキルにやや勝るROC選手とのマッチアップでは場面場面で打ち勝つシーンも見られ、第2ピリオドはショットオンゴール(シュート数)で10-5とROCを押し込めるシーンも見られたが、最後のシュートをGKのValeria MERKUSHEVA を中心とした堅い守りに阻まれ得点ならず。

試合終盤の第3ピリオド11:48に、痛い追加点をROCに許して0-2とされると、残り3:15と早い段階で6人攻撃を日本が仕掛けるも最後まで得点は奪えず。残念ながら、アップセットを演じることはできず、日本はこの結果6位ということとなった。

しかしながら、事前の国際試合が各国と比べて少ない状況というハンデを抱えながら、5位決定トーナメントを勝ちあがり、最終日に貴重な格上との試合ができるところまでの結果を残したことは大いに評価できるし、この試合でもROCに対して戦い方次第ではしっかりと渡り合えることを証明した試合でもあった。

ROC戦後、選手・監督インタビュー

では試合後に行われたリモートでのプレスカンファレンスの模様をお伝えする。

これまでと同様、まず最初に英語でのインタビューが行われ、その後に日本語での質疑応答に移るという流れ。
※以下、質問と回答は弊編集部による抄訳/編集をもとにダイジェストでお届けする。

↓日本対ROC戦ダイジェストはコチラ(大会公式サイトより)

編集部注>なお、ROC戦後の会見は大会最終日と言うこともあり、日本からの報道陣の参加が増え、類似した質問がされたりもしたため、当編集部の判断でカット等させていただいた部分があります。

まず英語でのインタビューから。IIHFのL.Aycroid記者が質問する。

――(IIHF)今日のROCとの試合。その感想と、良かった点は?

飯塚:

2年ぶりの国際大会という舞台に立たせていただいて、不安もありましたけど、選手たちは試合ごとに成長を重ねてくれたトーナメントになりました。アメリカ戦は除いて、負けたチェコとロシアでは、スコアリングチャンスはほぼ同じ数あったと思うんですけど、そこで決め切る、決め切れないの差がスコアに表れたなという感想です。あと、スコアリングに関してはずっと課題でしたが、その向上が見られたのはいいトーナメントになったと思います。

――(IIHF)来年には冬期北京五輪がある。チームを再編するなどの考えは?

大幅に作り直すことは考えていません。ただ、全く入れ替えがないかといえばそうではなくて、現状のチームをベースにこの後国際大会、国内の合宿でチーム作りをしていきたいと思います。

北京冬季五輪はこのメンバーをベースに臨む方向性を語った飯塚監督(※画像はキャプチャ)

続いて日本の報道陣の質問に移る

――改めて、2年ぶりの世界大会を総括して

飯塚:

大会のスタートはゲーム勘、国際大会の感覚が薄く、取り戻すまで時間がかかりましたが、試合を重ねるごとに成長し、だいぶ対応できるようになりました。数字的にも、満足の行くものではありませんが、一定の評価を選手たちにはしたいと思いますし、成長を感じながら7試合戦えたと思います。

――対ROC戦でどういったところが足りなかったか、相手が上回っていたか?

スタミナは3ピリ通して走ったうちの方が上回っていたと思います。ただ、数少ないスコアリングチャンスをロシアは逃さなかった。ラッシュで2人対1人とか、3人対2人とか、縦の数的優位に1度許した時にしっかり決めてくる。うちは3人対2人のシーンが2回あったんですが、決め切れない、というところに差があったと思います。

――大会を通して一番成長できた部分は?

やはりみんな体が強くなったと思います。なかなか対外試合ができない中で、ウエートトレーニング、氷上でのボディコンタクトの練習を時間を割いてやってきた体づくりの成果は出てたと思います。その中でも、まだまだパックを守る動作に関しては一歩負けてるかなというシーンもありましたけど、以前のような差はなくなってきたと感じています。

――得点数は志賀紅音選手が4点と一番多かったですが、改めて、彼女をFWに転向させたことについてどう思っていますか?

彼女は前回の五輪の時はDFというところで、ギリギリのところで選考漏れしたんですけど、彼女のシュート力っていうのは類いまれなものがありますので、DFよりもシュート数が多くなるFWで使うことが将来的に日本のホッケーにプラスになると考えて、本人と相談しながら、本人もFWでやりたい意志はあったので。それは本当にいい影響がで出ていまして、日本のスコアリングが成長していると思います。

――監督自身にとっても2年半ぶりの世界選手権。オリンピックシーズンでの異例の世界選手権だったと思いますが監督として感じたことは?

私自身もベンチで久々に指揮を執った公式戦だったのですが、やはり一番のちがいはルールの変更があったり、ビデオシステムがものすごく充実してノーゴールorゴールを上とやりとりしながらベンチワークしなければならないなど、大きな仕事が以前より増えたなということです。チーム運営に関してはそれほど大きな変化はなかったと思っております。

これまで、前回のチェコに何もできず負けていたんですが、今回は1勝1敗。あとロシアに関しても、あと少しスコアリング、守りの内容を詰められるのであれば勝ちが見えてきている、と感じられたことが大きな収穫だと思います。

「トップ5の国に近づけた」大澤 「シンプルに繋ぐプレーはできた」細山田

選手の会見に移った。IIHFのA.Podnieks記者の質問に2人は英語で答え

最終日の会見に臨んだ大澤ちほキャプテン(左)と細山田茜選手

――(IIHF)今大会7試合戦って、今後へ向けて良かった部分についてお聞きしたい

大澤:
トップ5の国に対してとても近づけたことはポジティブに捉えています。それらの国に対して結果を出すにはスコアリングをもっと磨かないといけないと感じています。

――(IIHF)スコアリングが課題とおっしゃいましたが、選手としてはどんな取り組みがこれから必要か?

細山田:確かに他の国の選手を見ていると素晴らしいシュート力があるのは今回戦って感じました。一方で、日本の選手もポテンシャルのある選手はいっぱいいます。そのあたりはチーム全体で取り組み、スキルアップしていきたいと思います。

続いて日本報道陣の質問へ

――お2人それぞれに質問します。7試合通じてよくできた部分と課題を感じた部分は?

大澤:

アグレッシブなプレッシャーと、スケートを生かしたプレーで、自分たちのリズムを作って、そこからスコアリングチャンスを作る形は、この大会でできていたと思います。しかし、スコアリングチャンスを作っても、そこから点数につなげることができなかった。きょうの試合もそうだったんですけれども。点数を取り切れずに、負けてしまうことがあったので、そこは北京に向けてFW、DF含めたチーム全員で、スコアできる力をつけていけたらと思います。

細山田:

大澤さんがアタッキングゾーンのことを話してくれましたが、ディフェンスゾーンでは、しっかり5人で守り切れていたと思います。ただ、シュートが通ったときのゴール前のバトルが一歩遅かったり、スティックをちゃんと上げていなかったりという場面が多くて、相手に叩かれて失点したところが多かったと思うので、そこは北京に向けてのチームの課題だと思っています。

――大澤選手に伺います。今回世界選手権は最高順位の6位で終わった手ごたえは?

大澤:

最高順位で終われたというところは自信にしていいと思うんですが、自分たちは今回トップ4を目指してやってきたので、そこに対してはまだまだ足りないなと正直感じました。
きょうの試合も勝てそうで勝てない。そこがまだ自分たちに足りない部分なんだなと強く感じたので、ここからもう少し一歩ずつレベルアップして、オリンピックで今回よりいい結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

細山田選手が海外記者の細かいニュアンスを大澤選手に伝えるシーンも

――最後のフィニッシュの部分を確立していくために必要なことは?

大澤:

ネット前のバトルがすごく重要になってくると思います。リバウンドだったり、さっき細山田選手が英語で話してくれていたんですが、リバウンドだったり、ルーズパックの一歩をもっと速く反応できるようにする力と、そこからハイショットだったり、2次攻撃、3次攻撃につなげられる力がまだまだ無いので、そこを磨いていく必要はあるかなと思います。

ROC戦では自分たちのスピードを生かして、良いプレッシャーからチャンスを作るというのはどの試合でもできていたので、そこはポジティブな点。そこは継続していきたいと思います。

――細山田さんに伺います。今回守りに関してはかなり評価できる点は多かったと思うんですが、一番自信になったところは

細山田:

チームとしてシンプルにプレーして、シンプルにつなげるということを大会通して目標にしてきたので、そこはできたと思います。1回アウトされて、向こうがリグループしているときにまた向こうからの展開というのが多かったので、シンプルにつなげてさらにアタッキングゾーンの奥でプレーできるようにする。そのあたりが次のチームのステップだと思います。

――(IPJ)大澤さんに伺います。体力面はこの大会でかなり高いレベルに来たと思うんですが、7試合戦ってみて、ライバルのロシア、チェコ、スイスあたりと比べていかがでしたか。1対1のフィジカルと、最後まで日本らしく走り切るスタミナ面について両方お聞きしたいです

大澤:

スタミナは自分たちの持ち味でもあるので、第1ピリオドからハードにプレッシャーをかけ続ければ相手の足も止まるというのが、きょうの試合でも証明できました。私たちは第3ピリオドでも序盤と変わらずにハードに動き続ければ自分たちのリズムを作れるところが、今大会で自信になりました。
フィジカルに関してはサイズが小さい分パワーがないのがこれまでも課題としてあったんですけれども、1対1のバトルについては今シーズンかなり力を入れてきたので、今までよりもボード際のバトルで勝てていますし、さらに質を上げてバトルに競り勝ち、そこから自分たちのリズムにもっとできるようにできれば、オリンピックでも良い結果につなげられると思います。

日本のベスト3プレイヤーは、小池、浮田、志賀紅音選手が受賞

また最終戦直後にはリンク上で、今大会全試合通しての各国ごとのベスト3プレイヤーが発表された。

日本はDFから  2 小池詩織選手

   FWから  15 浮田留衣選手
        16 志賀紅音選手 が選出された。

↓日本アイスホッケー連盟Facebookより、小池選手の受賞コメント

最終結果はコチラ↓

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