スマイルジャパン、歴史的2点上げるも前回王者に屈す
取材・文/アイスプレスジャパン編集部
ICYMI: @usahockey's 10 goals were impressive, but not to be outdone by Japan's 2 powerful goals from Akane Shiga.
— IIHF (@IIHFHockey) August 29, 2021
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スマイルジャパンがついに王者から奪った2得点。そのことがアメリカを本気にさせた。
その後、パワーもスピードもスキルにおいても全てに優れるアメリカの反撃に遭い、日本が鍛えてきた守備は崩壊。最終的には2-10という大差でアメリカに敗れた。
勝ったアメリカは準決勝でフィンランドと対戦。日本は準々決勝敗者4チームで行われる5位決定トーナメントにまわることとなり、まずはチェコとの対戦が決まった。
現地8/28(日)IIHF女子世界選手権 準々決勝 対アメリカ戦 試合後コメント
では準々決勝後行われたリモートでのプレスカンファレンスの模様をお伝えする。
スマイルジャパンからは、飯塚祐司監督が。続いて小西あかね選手、志賀紅音選手が会見場に登場した。
これまでと同様、まず最初に英語でのインタビューが行われ、その後に日本語での質疑応答に移るという流れ。
※以下、質問と回答は弊編集部による抄訳/編集をもとにダイジェストでお届けする。
↓日本対アメリカ戦ダイジェストはコチラ(大会公式サイトより)
「 失点してからのアメリカはスイッチが入った 」飯塚監督
まずはIIHFのL.Aycroid記者が質問する。
―― ディフェンディングチャンピオンとの難しい戦いだったが?
飯塚:
まずディフェンシブゾーンでの時間が非常に長くて、パックをブルーラインから出せないところで、長い時間そのゾーンにいることで失点を重ねてしまった。相手の運動量を抑えることができなかったことがやはり大量失点につながってしまった。
――日本がアメリカに対して歴史的な2得点を志賀紅音選手があげたが?
非常にゴールに向かう気持ちが強い選手なので、元々はディフェンスの選手だったんですけれども、FWにコンバートして、その期待通りに2点を入れてくれました。
――今日のGK藤本那菜選手のパフォーマンスはどう感じているか?
オフェンスの時間が少なく、ディフェンスの時間が長かったのと、SOGがかなり浴びていたので。当初の予定では半分で交代する予定でしたが、本来の彼女のパフォーマンスからすると試合後のコメント見ると「もう少しできた」っていうのが私と彼女の共通の認識です。
――久保選手は今日欠場でしたが、次の試合は?
明日は出場できます。
――順位決定トーナメントに向けての意気込みを
対戦相手はまだ決まっていませんが、2連勝するつもりで選手は非常にモチベーションも高いので、気持ちを切り変えて、明日もすぐゲームがあるので、戦ってくれると思います。
日本の報道陣からの質問へ
==(IPJ)いろいろな攻撃のパターンができているとドイツ戦後おっしゃっていましたが、アメリカ相手に通用したところはありましたか?
飯塚:
それほど分厚いオフェンスができたわけじゃないですけど、形は2年前の時よりはいい形でオフェンシブゾーンに入っていけたり、スコアリングチャンスを作ったりというところはできたと思います。
==(IPJ)前大会は1-4で、今回は2-10。志賀さんの2ゴールなどで、逆にアメリカの本気を引き出したのかなと思いますが、その辺りはどうですか?
失点してからのアメリカはスイッチが入った感がありました。ただ、アメリカのチームも前回と今回ではコンディションの差も少しあるのかなと感じてます。予選リーグでずっとアメリカを見ていますと、この大会、今シーズンにかける気持ちっていうのはレベルの高いところにモチベーションがあるんだな、と感じています。
==(IPJ)明日からの5位決定トーナメントへの意気込みを改めて
選手たちも、私たちも、順位決定戦っていうのは重要な戦いであると認識していますし、先ほど試合後のミーティングでも選手は気持ちを切り変えて次に向かっていますので、明日の対戦相手は今後のゲームで決まるんですけど、負けられない2試合がここにあると思って、全力でぶつかっていきたいと思います。
――今回失点が多かったが今後対アメリカ、対カナダで失点を抑えるために必要なところは?
飯塚:
縦のスピードで抜かれているというより、狭いエリアのバトルで負けて繰り返し良いポジションを取られている。または傍にいても付け切れていない。こういったところの判断スピード、ルーズパックへの飛びつき、リバウンドに対してのパックを制するのか、弾くのかなど細かい部分で全てにおいて相手が上回っているので、そこを詰めていければなと考えています。
――試合に向かう前、ドレッシングルームでは選手に「こういう気持ちで戦おう」「こういうテーマで60分間戦おう」などどういうことを伝えたのか。そして、それはどのくらいできたのか?
ゲーム前のミーティングでは、今回のアメリカの状態は2年前と全然ちがうよ、と。今回カナダには予選リーグで5失点していますが、フィンランド、ロシア、スイスなど私たちが目指しているチームが1得点もあげていないし、シュートも10本以下で抑えている。簡単なゲームにはならないけど、必ずチャンスは来るので、2年前完封されているので、得点を狙っていこう、という話をしました。ただディフェンシブゾーンの時間が長くなるのは覚悟しなければならないので、パックアウトできるところはして、短いシフトでチェンジできるとことは早めのチェンジでよりフレッシュな選手が氷上に乗れるようにしよう、ということを選手には伝えました。それほど多くのことは伝えなかったんですが最初はいいスタートを切れたかなと思ったんですが、失点をしてさらに得点を挙げることでアメリカがさらにプレースピード上げてきて、対応できなかったのが最終的な大量失点につながってしまったと評価しています。
続いて選手の会見に移った。IIHFのL.Aycroid記者から質問がなされた。
――志賀さんに聞きます。2得点を挙げたが、アメリカと戦ってどう感じた?
志賀:
アメリカは戦う前から強いチームとわかっていたので、チャレンジする気持ちをもって試合に臨もうと思っていた。そこで自分のプレーができたので、とてもうれしくおもっています。
――アメリカからの歴史的な得点。このゴールはどう記憶に刻まれましたか?
志賀:
(しばし考えて)パスを出してくれた2人の選手がとてもいいパスを出してくれたので……。自分はスコアするだけだったので、決められて良かったなと思います。
――藤本選手と替わって初の出場となったが、どんな気持ちで試合に臨んだ?
小西:
とても緊張したんですけど、自分の中ではよくパックが見えて冷静にプレーできたと思います。
――明日からの戦いに向けては?
志賀:
日本はスピードを生かした攻撃が特徴なので、それを生かして、チャンスをものにできたらと思います。
地元WebメディアのM.Murphy記者が質問する
――最初のセーブは、ヒラリー・ナイト選手のシュートでしたがどうでしたか?
小西:
そうですね。すごい世界のトッププレーヤーということで警戒していたので、止められて良かったです。
日本の報道陣の質問に移る。IPJがまず指名された
==(IPJ)志賀さんにお尋ねします。すばらしい2ゴールで海外の記者も歴史的2ゴールと言っていました。改めて2ゴール決めたという思いを
志賀:
アメリカ相手に得点できたことは、うれしく思うんですけど、アメリカは特別と思うんじゃなく、どこのチームにもスコアするというのは当たり前のこと。今後、チャンスを決めていければと思います。
――志賀さん、きょうアメリカとの試合に入るにあたり、スコアに向けてどんな狙いがありましたか?
志賀:
スコアするにはシュート打たないと始まらないので、シュート数をどんどん増やしてスコアにつなげようという気持ちで今日は挑みました。
JAPAN IS ON THE BOARD!
— IIHF (@IIHFHockey) August 28, 2021
A bouncing puck goes right past Alex Cavallini and makes it a 1-goal game early in the first. #WomensWorlds #SmileJapan pic.twitter.com/OdiDrvAb0g
↑↑志賀紅音選手のゴールシーン。会見で報道陣から「歴史的ゴール」との声も出たが本人はいたって落ち着いていた
――2ゴールはイメージどおりのプレーができたということか?
志賀:
今までの試合ではシュート数に対するスコアができていなかったので、スコアへの意識は高く持って今回の試合に挑んだのでそこが得点につながって良かった。
――小西選手、27分のプレーを振り返っていかがでしょうか?
小西:
最初はとても緊張していたので、みんなも声をかけてくれたし、私自身もチームの流れを変えるようなプレーをしようと思っていたので、ちょっとでも流れを変えられたと思っています。
――自分として、今日の試合で一番評価できるところは?
小西:
ゴール前がタイトになる選手が多いので、パックをよく探すこと、見失わないことを意識して試合に臨んでいました。