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こちら『アイスプレスジャパン』まで見に来て頂いてありがとうございます。

こちらでは1月下旬、女子日本代表スマイルジャパンが北京五輪へ向けて日本を出発する直前に行われたリモート会見で、選手・監督が北京オリンピックへ向けて語った「強い想い」をお伝えします。
会見の要旨となります。文字が多くなりますが、ぜひご覧頂いて、選手たちの思いを共有して、スマイルジャパンを応援していただければと思います。

オリンピック期間限定の公開となります。

『スマイルジャパン』北京へ向かって 米山&獅子内選手

FW 米山知奈選手

Q:前回の五輪から後輩が増えている五輪だと思うんですが、プレー面、精神面でどんな役割を果たしていきたいか教えてください。

米山:若い選手がたくさん入っているんですけど、スキルのある選手がたくさんいるので、自分でも刺激になったり勉強になったりするので、そこを吸収して自分自身もレベルアップした姿を見せられればと思います。チームの中の役割としては初めてオリンピックに出場する選手も多くいるので、そういった選手が最初から力を発揮できるようにサポートしていきたいと思っています。

Q:レベルアップというところで得点力がかぎになると思うんですが、世界選手権や欧州遠征でレベルアップを実感できたところはどういうところでしょうか。

米山:世界選手権ではラッシュの形やPPでの得点はあったんですけど、アタッキングゾーンで崩してという得点ができなかったところがあって、そういったところを課題にヨーロッパ遠征をやって、そういうところが形になってきていると思います。

Q:具体的にここがうまくできたというところはどういうところでしょうか。

米山:アタッキングゾーンでゴールに向かうとか、パックを取られないというところで、自分たちでいいポジションからシュートを打っていくところが自分も含めてチームとしてチャレンジできた部分だと思っています。

Q:北京五輪とは何かというところで集大成という答えをいただいたんですけど、どういう意味ですか。

米山:言葉の通り、全てをオリンピックで出し切ることを考えています。

Q:言葉の意味だと、これが最後なのかなと取れなくもないんですけど、どんな気持ちが込められているんでしょうか。

米山:最後の気持ちでやろうと思っています。
平昌が終わったときにやめることを考えていたんですけど、まだまだ上手になれるんじゃないかという欲がわいてきて、そこから、得点力とか、課題だった部分を回りの選手の刺激を受けながらやってこられたんです、そういった部分で成長した部分を見せられるようにプレーできたらなと思っています。

Q:チームの1つ目のセンターとしてやってこられた米山さんにとって若い選手の台頭はどのようにご覧になっていますか。

米山:本当にオリンピックでも期待できますし、若手でも頼もしい選手がたくさんいるのでそこは注目してさらにレベルアップしたスマイルジャパンをお見せできるんじゃないかなと思います。

Q:3大会続けて大澤選手と出場です。大澤選手への思いというかそのコンビネーションで北京を迎えるのはどうでしょうか。

米山:もう大澤さんには最初から今回まで引っ張ってもらったなという感じなんですけど、大澤さんだけじゃなくずっと一緒にやってきたメンバーもいて、そういうメンバーと一緒にオリンピックに出られるのはうれしいなと思います。

Q:大澤さんの存在はどんな存在ですか。

米山:ずっと自分の前を走ってくれている感じです。

Q:米山さんの存在が大澤さんにいい影響を与えていると思うんですけど、

米山:そうだといいんですけれども(笑)。与えてもらっている方が多いかなと思います。

Q:さきほど集大成とおっしゃいました。集大成である北京五輪で氷上でどんなプレーをしたいか、率直な気持ちを教えてください。

米山:個人的には得点力がチームとしての課題で、自分でも意識してやってきたので、自分が出ている時はプラスで終われるようにということを心掛けてやっています。自分としてはあまり大きな特徴や長所がないプレイヤーだと思っているので、一緒に組んだ選手のいいところを生かしてあげられるようなプレーができたらと思っています。

Q:1回は代表引退を考えて向かってきた北京五輪、わくわくする気持ちはどうですか。

米山:わくわくする気持ちは記者さんがおっしゃったようにすごくあります。オリンピックが近づいてくると、またこうやってチャレンジできることがうれしいな、と思っています。

Q:米山さんの良さは献身的に動くという運動量もある大変な役割だと思います。年齢が上がるにつれ、大澤さんも回復が遅くなってきたという話もありまして、キャリアが長くなると体力面という、そこをどう埋めようとやってきたんですか。

米山:同じように疲労のたまり具合は年々感じるんですけど、動きの質はトレーナーさんもすごく考えて教えてくれて、自分自身の弱いところとかも重点的にトレーニングできるように教えてくれるようになってきました。そういうところでカバーできているので、前より強くなっていると信じたいです。

Q:世界選手権や欧州遠征で、プレーの質、コロナ前と比べて良くなった実感は持てましたか。

米山:年々バトルの部分での体の使い方、スコアリングのアイディアは増えてきているので、良くなっていると思いたいです。

Q:後輩に対してアドバイスをしていると所属の道路建設ペリグリンの関係者の方がおっしゃっていたんですが、次の世代の子どもたちへ伝えたりなどは、どんな思いがあってそういうことをされているんですか。

米山:若い選手は自分が若かったときより、スキルがあって上手な選手がいっぱいいるので、そこを生かしてどんどん成長していってもらえたらと思います。あまり指導したりとかは自分で意識したりはしていないです。自分のアイディアだったり、それが一つの選択肢として聞いてくれた選手のためになればなと思っています。

Q:女子ホッケーの転換期の中で大会後は、いい流れをどうつなげていきたいか、そこに関わりたいかなどはありますか。

米山:北京の先は正直考えていないですけど、自分たちが北京でいい結果を残して、それが次の世代のモチベーション、勢いにつながればいいなと思います。

Q:過去2大会と比べて今までにない自信と経験を持って臨める大会になるとキャプテンの大澤選手はおっしゃっていたんですが、米山さんにとって過去2大会と比べて自信はどのように感じているんでしょうか。

米山:守りは日本の強味として連携を取ってやってきました。スコアリング面でも相手に0で抑えられる試合がぐんと減ってきたと思うので、もっと勝ちをつかみにいけるチームになったと思っています。

FW 獅子内美帆選手

Q:まず、選ばれた率直な感想というか、北京でこういうプレーをしてみたいという部分を聞かせてください。

獅子内:けがをしてから代表に戻ってこられて、メンバーにも選んでくれたので、今できるプレーを全て出せるように最初からプレーしたいと思っています。

Q:獅子内さんは攻撃面のプレーが期待されているのではと思うんですが、合宿ではどういう形で役割を担っていますか。

獅子内:正直、4年前に比べると自分のポジションは出場時間が少なくなるかもしれません。でも、その中でもチームに勢いを付けられるようにゴールに向かっていきたいと思います。

Q:現状でラインは誰と組んでいるんですか。

獅子内:練習では久保英恵さんと藤本もえこと組んでます。

Q:まさに苦楽を共にしたメンバーだと思うんですけど、ラインメートへの思いを聞かせてください。

獅子内:藤本もえこに関してはチームも一緒ですし、高校生からずっと一緒に、トレーニングも一番多く一緒にやってきているので、辛い思いもお互いに分かり合えている選手なので、そこはオリンピックで今まで頑張ってきた分全てぶつけられたらなと思っています。
久保選手に関しては得点能力がとても高い選手なので、チャンスを作って、決めてもらえたらなと思います。

Q:要所での得点が期待されるラインとして楽しみにしています。まさに“相棒”である藤本もえこ選手への思いはありますか。

獅子内:会社も一緒ですし、本当にチームの誰よりも一緒に過ごしている時間が多い選手なので、本当に「もえこが思っているだろうな」っていうことがわかるぐらい一緒にいるので、本当に、なくてはならない存在ですね。心の支えです。

Q:大きなけがをされて、選手生命が大丈夫かというレベルのけがだったと思うんですが、確認ですが膝でしたっけ。

獅子内:右ひざの前十字靭帯断裂です。

Q:何か月くらいかかりましたか。

獅子内:手術は3回したんですけど、1回目の復帰には3,4カ月くらいはかかりました。

Q:その間どういう思いでいたのかを伺いたいんですが。

獅子内:オリンピックが終わって次のシーズンにけがをしてしまって、大きいけがというのは自分自身も初めてで、どうなるのかなという不安もいっぱいありました。でも、みんなとまたホッケーをやって世界で戦いたいという思いが強かったので、リハビリは大変だったんですけど、そこを目指して頑張ろうという気持ちでトレーニングしていました。

Q:その時のモチベーションの源はどういうものだったんですか。

獅子内:オリンピックを目指す気持ちが1番です。それから、東京のナショナルトレーニングセンターでリハビリをやっていたので、他競技の選手で同じけがをした人と会うことも多くて、そういう方のトレーニングしている姿を見たり、復帰して活躍したりしている選手も見て、自分も頑張ろうというエネルギーをもらってました。

Q:もえこさんの存在は大きかったですか。

獅子内:連絡は常に取っていたので、一番大きい存在でした。

Q:氷の上に乗れなかった時間があったからこそ気づいたこと、得たものがあったら教えてもらえますか。

獅子内:大きいけがを経験したことがなかったので、けがした選手の辛さを一番理解できたなというのことと、トレーニングやリハビリの期間があったので、栄養面の勉強をする時間ができました。使う筋肉もくせがついて変わってくる部分があったので、今までは簡単にやっていたトレーニングができなかったりしたので、細かい動きも大事だなと改めて思いました。

Q:支えたものというか、けがをすると落ち込んだりすると思うんですけど、前に進ませたものはどんなものだったんでしょうか。

獅子内:チームメートだったり、家族がサポートしてくれたり、会社の皆さんも応援してくれていたので、絶対に戻りたいという気持ちがありました。今回の合宿での面談で監督からは言われると思うんでが、北京五輪では、出たときにチャンスをつくってチームの流れを変えられるようにと思っています。

Q:さっきの質問で出てきた、栄養学を学んだというところで。その影響で食生活が変わったというか、生活が変わったというのはありますか。

獅子内:食生活は、食事は気を付けるようになりました。結構リハビリ期間中に、みんな合宿中に体脂肪率計って何パーセント以下とかは聞いていたので、その時はノートに食べたものを書いて、バランスを1日トータルで見て食べたりしていました。

取材・文/アイスプレスジャパン編集部

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