今大会の目標はベスト4
『スマイルジャパン』飯塚祐司ヘッドコーチに聞く

浮田選手(左・Daishin)と床秦留可選手(右・リンシェーピン/SWE)。今大会も阿吽の呼吸で分厚い攻撃を相手に見せつける

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

4/3に開幕する、IIHF女子世界選手権トップディビジョン@アメリカ・ニューヨーク州ユーティカ。

アイスホッケー女子日本代表=『スマイルジャパン』はこの大会に向けて3/13にメンバーが招集され、苫小牧での国内合宿を経て3/23(土)に現地入り。アメリカでのおよそ1週間の調整を経て時差ボケも解消。チームの仕上がりも順調な様子だ。

しかしながら飯塚祐司監督は「まず大事なのは初戦の中国戦。そこに照準を合わせて臨んでいる。北京五輪で活躍したインポート(帰化)選手は入っていないと報じられているが、そのレベルの高いインポート選手たちと練習してきたメンバーの地力が上がっており侮れない」と、慎重な姿勢を崩すことはない。
日本は大会2日目の現地4/4(木)11:00~の中国戦が初戦だ。

デンマークに4点差快勝、上り調子で大会に臨む

現地4/1には当地でデンマークとのテストマッチが行われ、アイスプレスジャパンの公式X(旧Twitter)でも速報したとおり、スマイルジャパンは大量4得点を重ねて4-0の快勝をおさめた。

現地合宿から合流した志賀紅音選手(北米女子リーグPWHLオタワ)がその得点能力の非凡さを見せつけて先制点&2点目と続けてゲットし、成長を披露すると、小山玲弥選手(SEIBUプリンセスラビッツ)も持ち前のスピードと運動力をいかんなく発揮してこちらも2得点を奪い取った。

試合時間の大半が日本のアタッキングゾーンでの展開。そのため日本が様々な形の攻撃パターンを試せたのは非常にポジティブな要素となった。

またGKの増原海夕選手(道路建設ペリグリン)と川口莉子選手(Daishin)をそれぞれ30分ずつ起用できたのもこの先の長丁場を考えると計画通りだろう。選手たちの表情も明るく、充実したトレーニングを重ねていることは記者席から見て取ることができた。

大会2日前、飯塚監督に手応えを直撃取材した

飯塚祐司監督(中央)

デンマークとのテストマッチ直後に、飯塚祐司監督が取材に応じてくれた。以下にその質疑応答をお伝えする。

ーー今回の現地合宿ではどのあたりを重点的に取り組んだか?

飯塚祐司監督(以下、監督):苫小牧での合宿で女子韓国代表、それから駒大苫小牧など男子高校生との練習試合を重ねて、ある程度まで連携面や戦術理解を進めることができた。

また今大会はNHL仕様でリンクサイズが小さい。プレーもがらりと変わるのでリンクに慣れるためにも早めに現地に入って多くトレーニングしたいという部分もあった。すでに1週間滞在しているのでコンディションも調整がうまくできている。

ーーデンマーク戦を振り返ってチームの仕上がり具合は?

監督:テストマッチをみると順調に来ていると思う。相手にスコアリングのチャンスを与えず無失点で終えられたのも良かったし、4つのラインをすべて回してゲームができ、選手全体が試合慣れすることもできた。ここまで順調に来ていると思う。

--昨年は得点力不足に泣いた。攻撃の底上げは?

サードラインまででまんべんなく点を取ることが理想だが、今日のデンマーク戦でも複数のラインで得点できたのは収穫。良い方向にチームが向いていると思っている。

ーー今回のメンバー選考で重視した点は?

監督:身体の大きな選手を日本が集めるのは難しい。そんななかで、サイズはないけれども臆することなくボディーコンタクトができる選手、倒されてもすぐに立ち上がってまた相手に向かっていけるような、コンタクトの強い選手を集めた。また、日本の長所である「スピード」を武器に生かしていける選手を選んだ。

日本の練習の様子が気になるのか、中国の選手がチラチラ見ながら横を通過していった場面も

ーー期待する選手は?

全員です。各選手が自分の持ち味を充分に発揮してほしい。

そのなかでも、今シーズンは北米やヨーロッパなど海外のリーグに挑戦している選手が多いのでその経験を活かしてほしい。海外組はハードな試合を積んできていると思うし、そこで学んだ部分を出してくれたらおのずとチーム全体のレベルも上がると思っています。

ーーズバリ今大会の目標は?

ベスト4を目指して戦います。

このところ我々はベスト8止まりなので、選手たちとも意思を確認していますけれども、その壁をなんとか打ち破れるように頑張りたい。

Bグループを1位通過して準々決勝も突破する、それが目標です。

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