スマイルジャパン、ドイツに力負け。続くスウェーデン戦に準々決勝進出への望みをかける
取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部
現地4月6日
女子アイスホッケー世界選手権トップディビジョン グループリーグ戦B組
会場:ADIRONDACK BANK CENTER(アメリカ・ニューヨーク州ユーティカ)
日本 1(0-0、0-2、1-2)4 ドイツ
ゴール:【日本】志賀(紅) 【ドイツ】SCHIEFER、KARPF 、WELCKE、EISENSCHMID
GK:【日本】川口 【ドイツ】ABSTREITER
シュート数:【日本】25(6、9、10)【ドイツ】29(6、7、16)
前日の敗戦を引きずらず、粘り強い守備と運動量でドイツの攻勢を跳ね返した日本。しかし、最後に力尽きた。
女子日本代表=スマイルジャパンはこの日、先発ゴールキーパー(GK)に今大会初出場の川口莉子を据えて、グループリーグ第2戦の対ドイツ戦に臨んだ。
前日中国戦での敗戦のショックが影響しないか、日本チームの”試合の入り”が少し心配されたがそれは杞憂だった。
第1ピリオド、GK川口を中心にドイツの攻勢をディフェンス陣が跳ね返し、”守備からリズムを作る”という普段通りの日本の戦い方ができていた。川口は中盤、相手のブレイクアウェイを阻止するプレーで日本チームを救う。
第1ピリオドは両チームとも無得点で静かに終了。
しかし、試合が進むに連れてドイツの攻撃の圧が強くなり徐々に日本は防戦を余儀なくされる。第2ピリオド終盤まで無失点で耐えていた日本だが、15:35にその防波堤は崩された。
ドイツはアタッキングゾーンでのキープ力が高く、ゴール前の危険な位置でどんどん横パスを繋いでいく。そんな攻防が続くなか先制したのはドイツだった。
フォワードSCHIEFERがゴール正面から振り向きざまにシュートを放つ。決して強烈なシュートではなかったが、逆にこれが日本にとっては不運。そこまで集中力高く守っていたGK川口だったが、味方がスクリーンとなって相手がシュートする瞬間は見えない状況だった。これにタイミングを狂わされてパックはファイブホール(股間)を通過する。
「守り中心の手堅いホッケーだが、勝負どころではやはり決めに来る。そのあたりを警戒したい」と飯塚監督は試合前に話していたが、その通りにドイツは日本に対して牙を剥いてきた。
なんとか1点差のまま第3ピリオドに持ち込みたかった日本だが、その後ペナルティでショートハンドのピンチに。必死で守るもののドイツはアタッキングゾーンでうまくパスを回し、最後18:23、クリーンプレーでまた川口の視界をさえぎるなか、ディフェンスからの長めのシュートをゴール前のKARPFがチップしてゴールの枠をとらえ、ドイツが2-0とリードを広げる。
日本はなんとか残りの時間は立て直して、最終第3ピリオドでの逆転を狙う形でインターバルに入った。
迎えた第3ピリオド。序盤はドイツが第2ピリオドの勢いそのままに日本を責め立てる。
しかし日本はその攻勢をしのぐと10分過ぎから反撃に転じた。志賀紅音の惜しいシュートや浮田瑠衣の突破でドイツ選手は徐々に守りへの意識が高くなったのか、この時間帯からは日本がアタッキングゾーンに入って攻め立てる。
このあたりから会場には日本の得点の匂いがただよい、逆転勝利への期待値はどんどんと高まっていった。
しかしながらどうしても堅いドイツの守りの前に日本のゴールは生まれず、時間は容赦なく刻まれていく。
そして迎えた試合時間残り2分、日本はGK川口をベンチにあげての6人攻撃を敢行。しかし、これはベンチがタイミングを誤った感があった。
しっかりセットするドイツの守備網にはねかえされてパックを奪われエンプティネットゴールを許し3点差とされてしまう。
ただ日本はこのあと簡単には負けないという強い意志を見せた。試合時間残り2分を切っていたが、もう一度6人攻撃をかけて得点を奪い返したのだ。
最後、決めたのは中国戦に続き志賀紅音。人里亜矢可の強烈なシュートが相手GKのリバウンドを誘った。
その後、奇跡を信じてさらなる6人攻撃に出た日本はエンプティネットゴールをもう1本許して最終的には1-4で敗れる形となったが、試合終盤に出たこの1点が明日のスウェーデン戦にどう繋がっていくか?
「我慢が続く試合になるとは分かっていた。やっているホッケーは決して悪い内容ではない。ここからは本当に前を向くしかないので、スウェーデン戦までには心身ともにリカバリーして臨みたい」と小池詩織キャプテンは前を向いている。
スマイルジャパンの選手たちの反撃に期待したい。