【五輪最終予選版】「日本は今日、五輪出場権が決まる??」
勝点が3チーム以上で同じだったら? アイスホッケー独自の順位決定方法「3ポイントシステム」を説明します

文・写真/アイスプレスジャパン編集長・ポタやん
2/8(土)に「日本がポーランドに60分勝ち、かつフランスが中国に60分勝ち」で
土曜のうちに日本のミラノ五輪が決定!
日本のアイスホッケーファンのみなさま、女子アイスホッケー五輪最終予選での連日の応援ありがとうございます。ポタやんです。
さて今日は大会2試合目。
12:00~ 中国vsフランス / 15:30~ 日本vsポーランド の2カードが行われます。
初日の結果は、日本7-1フランス /中国3(PSS)2ポーランド でした。
日本は快勝。いっぽうで五輪出場権のライバルと目されていた中国はポーランドの粘りにあい、延長でも決め切れずペナルティシュートアウトの末何とか勝利。勝点2を得るにとどまりました。
その結果、現在の順位は↓
<初日(2/6) 終了時点の順位>
①日本 1勝0敗 勝点3 得失差+6
②中国 1勝0敗 勝点2 得失差+1
③ポーランド 0勝1敗 勝点1 得失差-1
④フランス 0勝1敗 勝点0 得失差-6
ということになります。
アイスホッケーの国際大会ではIIHF(国際アイスホッケー)の規約に沿って順位決定のルールが定められています。IIHF主催試合(オリンピックを開催するIOCも同様)は勝ち点制。
試合で得られる勝点は60分勝ちで③、延長勝ちまたはペナルティシュートアウト戦(PSS戦)勝ちで②、延長負けまたはPSS負けで①、60分負けで⓪です。アイスホッケーは引き分けがなく、最後は必ず決着をつけます。これがIIHF(国際アイスホッケー連盟)自慢!?の「3ポイントシステム」です。
※PSSはGWS(Game Winning Shot)と表記されることもあります。

3チームが同勝点で並んだら……
今大会、五輪最終予選ももちろん勝点合計によって順位が基本的に決まるのですが、もし勝点が同点の場合はどうするか。2チームが同じ勝ち点で並んだ場合は話はシンプル。直接対決の勝者が上位となります。延長でもPSS(GWS)でもとにかく勝ったほう。
ところが3チーム(以上)が勝ち点で並んだ場合はどうするのか。これは下記のような方法で順位決めを行います。できるだけ分かりやすくお伝えします。
<3チーム同点の場合の順位決定方法>
ステップ1:勝点が同点のチーム「だけ」の試合に着目して、小さなリーグ戦グループ(サブグループ)を作ります。(このプロセスは、同点のチームが2つだけになるか、1つもなくなるまで繰り返されます)3チーム以上が勝ち点で並んだ場合、同勝点チーム間の得失点差の高い順に上位。
ステップ2:それでもなお3チーム以上が勝ち点および得失点差で並んだ場合はチーム間の総得点の多い方が上位。
ステップ3:それでも3チーム以上が勝点と得失点差で同点の場合は、これらのチームが直接対戦した試合での最高得点チームが上位。
ステップ4:それでも3チーム以上が勝ち点、得失点差、総得点で同点のままであれば、その3チームと、サブグループ外の最も順位が近いチームとの対戦成績で見ます。この場合、最も近い最高順位チームとの対戦で最も良い結果(1.勝ち点、2.得失点差、3.総得点)のチームが上位
例:4チームのリーグ戦1~3位が並んでいる場合は4位のチームとの対戦成績で判断される
ステップ5:それでも同点の場合は、その3チームとサブグループ外で次に順位の高いチームとの対戦成績がステップ5と同様に適用される。
例:5チームのグループで3~5位が並んで2位チームとの試合内容にも差がない場合は、1位のチームとの対戦成績で判断される(※ステップ5は、4チームで行われている五輪最終予選では適用できません)
ステップ6:それでも同点の場合は大会前のシード順が上のチームが上位
ということです。まあ、実際にはここまでもつれることはほとんどなく、ステップ3あたりまでで順位は決まるんですが一応ここまで細かく規定されています。
2/8(土)に日本がポーランドに60分勝ち、かつフランスが中国に60分勝ち。だと日本のミラノ五輪が決定!
ということで、今大会での順位がどうなるのかですが、まず日本が今日ポーランドに60分勝ちして勝ち点を6に伸ばすと仮定します。
すると現在勝点2の中国は最終日に日本に60分勝ちして勝ち点3を獲得し日本を上回るためには最低でも今日のフランス戦で勝点2が必要となります。もしフランスが60分勝ちすると2日目を終えて
①日本 勝点6 残り1
②フランス 勝点3 残り1
③中国 勝点2 残り1
④ポーランド勝点1 残り1
となります。そして明日直接対決で中国が日本に60分で勝ちフランスがポーランドに60分で勝ったとしても
①日本 勝点6
②フランス 勝点6
③中国 勝点5
④ポーランド勝点1
となり、中国は日本に届かず。フランスとの比較は「同勝ち点が2チームとなった場合は直接対決の勝者が上位」という規定により、日本が優勝=五輪出場権獲得ということとなります。ですので2/8(土)の第1試合、中国vsフランス戦の結果がけっこう重要です。
日本がポーランドに60分勝ちし、勝点を6に伸ばすという前提で中国vsフランス戦の結果ごとに状況を記すと……
中国vsフランス 中国の60分勝ち ⇒ 日本勝点⑥中国勝点⑤で直接対決へ
最終日、日本は60分勝ち&延長勝ち&PSS勝ちで出場権獲得
中国の延長orPSS勝ち ⇒ 日本⑥中国④で直接対決へ
日本は60分勝ち&延長勝ち&PSS勝ち&PSS負け&延長負けで出場権獲得
フランスの60分勝ち ⇒ 日本⑥中国②となり、最終戦を待たずに日本の出場権獲得
ということとなります。『全試合を圧倒して勝つ』という目標を掲げ、非常に良い試合内容を見せているスマイルジャパンですが、試合は下駄をはくまでわからない、ということわざもある通り、大会全日程が終わるまで何が起こるかわからないのか五輪予選の常。今日中に五輪が決まることに越したことはありません。ということで、第1試合の中国vsフランス戦も注目して見ていただきたいと思います。