埼玉・上尾のリンクに子どもたちの歓声が。
日ア連アスリート委員会による「初心者スケート教室 シュート体験会」3度目も大盛況

子どもたちはみるみる上達、シュート体験ではみな楽しそうにプレーしていた

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

5/19(日)朝、埼玉アイスアリーナに子どもたちの楽しそうな歓声が響き渡った。

日本アイスホッケー連盟(以下、日ア連)主催の「初心者スケート教室 シュート体験会」。このイベントには3歳から10歳までの子どもたち40名が参加。スケーティング体験が行われた。

この日埼玉に集まった子どもたちのなかには、スケートをすることすらこの日が初めてという子も。選手にも手伝ってもらいながらスケート靴のひもをしっかり締めていた子どもたちは、最初はみんなおそるおそるという感じでリンクに足を踏み入れていた。そして、靴を通して感じる氷の感触に驚いていた様子だった。

埼玉アイスアリーナには多くの子どもたちが集まった
リンクに入る子どもたちに優しく声を掛ける大澤さん

アイスホッケー女子日本代表キャプテンを務めた大澤ちほさんが、リンクの中央で子どもたちに、今日はスケートをぜひ思い切り楽しんでほしいとの主旨の声を掛けて教室はスタート。

その後2つのグループに分かれ、大澤さん、井上光明さん(日本アイスホッケー連盟GKコーチ、元レッドイーグルス北海道)、永野元佳乃選手(SEIBUプリンセスラビッツ所属、女子日本代表)、長岡真鈴選手(SEIBUプリンセスラビッツ所属、女子日本代表)の4人がまずは転び方と立ち上がり方から。さらにスケーティングのコツなどを教えていく形でおよそ1時間にわたり、子どもたちがスケートを通した楽しい時間を過ごした。

「終わる頃にはみんな滑れるようになって成長していた」(大澤さん)

リンクに足を踏み入れた時はよちよち歩きだった子どもたちも、あっという間に滑れるようになっていく様子が見て取れ、リンクの外側で見守っていた保護者の方たちも我が子の成長をビデオに撮りながら楽しそうに話をしていたシーンも見受けられた。

子どもたちのシュート体験をビデオに収める姿も

後半ではアイスホッケーのシュート体験が行われ、大澤さんや選手たちがスティックの持ち方から指導。およそ4、5mの距離からゴールを狙う子どもたちは最初こそパックを上手く扱えなかったり、シュートしても距離が届かなかったりと苦労していた様子だったが、徐々にコツをつかむと見事なゴールを次々に決められるようになっていた。ゴールを決めて選手たちと一緒に喜び合う子どもたちの笑顔がとても印象的だった。

埼玉出身のKHLプレイヤー佐藤優選手(左から2人目)もサポートに駆けつけてくれた

この「初心者スケート教室 シュート体験会」企画は、今年2024年の1月に横浜で初回と2回目が行われており、この埼玉で3回目の開催。まずはスケートを好きになってもらうこと、またアイスホッケーに触れてもらいアイスホッケーを楽しいと思ってくれる子どもたちを増やすことなどを広く目的としながら、日ア連アスリート委員会が企画を立案、委員会の各メンバー同士で内容などを話し合ってここまでの形を作ってきたとのことだ。

大澤ちほさんはイベント終了後にインタビューに応じ、
「リンクに乗った瞬間から子どもたちが楽しんでくれている感じがしたので嬉しかったですし、終わる頃にはみんな滑れるようになっていたので成長も感じられて良かったと思います。まずはスケートが楽しい、リンクに来るのが楽しいと思ってくれれば。シュート体験でもみんな、どんどんシュートを打ちたいという感覚だったので少しでも興味を持ってくれればと思っています。今まで日ア連としても普及に力を入れることができていなかったので、アスリート委員会のメンバーみんなで力を合わせて頑張っていきたいと思っています」と話してくれた。

左から大澤さん、永野元選手、長岡選手、井上さん

アスリート委員会発案の企画は大盛況。次回は沖縄で開催

6/23(日)には初の沖縄県開催として南風原町のエナジックスポーツワールド サザンヒルでの開催が決まっており、大澤さんと永野元、長岡両選手が参加する。(※応募は定員に達しており募集は締めきられている)
沖縄の子どもたちもまた大澤さんはじめ選手たちとふれ合えることをおおいに楽しみにしているはずで、当日は笑顔と歓声がリンクにあふれることだろう。

6/24追記↓ 大澤さんのXでのポスト。沖縄での開催も大好評だったようです

<参加選手・コーチのコメント>

長岡真鈴選手(SEIBUプリンセスラビッツ)
「スケートをやったことのある子とそうでない子が半々ぐらいの感じでした。アイスホッケーを知ってもらうことも大事ですが、こうやってスケートを知らなかった子が滑れるようになるという『ゼロから1』を作れたことが収穫だったのかなと思います。こういった『ゼロから1の活動』をアスリート委員会を中心にまた進めていければと、思いました。子どもたちがどんどん滑れるようになっていくのは教える側にとっても嬉しいですし、楽しいと言ってくれるのも嬉しい、沖縄のイベントも楽しみです」

永野元佳乃選手(SEIBUプリンセスラビッツ)
「私自身初めてこの初心者スケート教室に参加できたのですが、子どもたちがスケートを楽しんでいる姿を見られたことが良かったです。シュート体験も子どもたちがどんどんシュートを打ちたいと興味を持ってもらったので、少しでも競技の普及に繋がっていけばと思いましたし、私自身も子どもたちと交流できてとても楽しかったです。今季のアスリート委員会の取り組みがアイスホッケーに触れてもらったりスケートを楽しんでもらうというコンセプト。その実現のために始まった企画ですが、子どもたちの可能性はすごいんだなと自分自身も気づかされたイベントでした」

井上光明さん(日ア連GKコーチ)
「初めてスケートに触れる子どもたちと交流できたのは新鮮な経験でした。子どもたちが転んでしまったりするので、しっかりと人数かけて目をかけなければいけないという部分などは気を付けましたが、楽しんでもらえていたようで良かったです。競技の裾野を広げるという点は今後大切になってくると思いますが、子どもたちがアイスホッケーを今後始めなかったとしてもまずはその楽しさを分かってくれるだけでも良いと思うので、こう言った活動を継続していければと思います」

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