東北フリーブレイズが東京都アイスホッケー連盟と「連携協力協定」締結

2024年2月も東北フリーブレイズのホームゲームが西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナで開催された

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

 8月26日午後、都内にて東北フリーブレイズ(運営会社:東北アイスホッケークラブ株式会社)は、公益財団法人東京都アイスホッケー連盟(以下、都ア連)とアイスホッケー競技の振興に寄与することを目的として連携協力協定を締結したとの発表があった。
 このニュースについては8/26当日中にアイスプレスジャパン編集部(以下、IPJ)のXにても速報でツイートさせていただいた。
https://x.com/IcePressJapan/status/1828038026465063242

 上記Xのポストにも記したとおりこの連携協定締結に至った経緯や意図について、取材の上でできるだけ早く続報をお伝えする予定ではあった。しかしながら、アジアリーグ開幕後のこの時間までお時間がかかってしまったこと読者のみな様と関係者のみな様にお詫び申し上げる。以下、プレスリリースと取材の結果から追加の内容をお伝えしたい。

フリーブレイズのマスコット、ブレイジーもコラボユニフォームでファンにごあいさつ・2024年2月17日

東北フリーブレイズからの2枚のプレスリリース

 東北フリーブレイズはここ2シーズンほど東京(西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナ)でホームゲームを開催しており、今季も2025年1月25・26(土日)にダイドードリンコアイスアリーナで試合開催の日程が組まれているのはファンの皆様もご存じの通りだ。
 この東京シリーズでは例年、東京ヴェルディクラブとのコラボレーションデーとしてヴェルディクラブの各スポーツチームの選手たちも会場前の広場で体験会などの交流イベントを行っている。アイスホッケー以外の種目を応援するファンが推しのチームとの交流を楽しんだ後に、アイスホッケーの試合も観戦に訪れている光景も見受けられた。

リンク前の広場では、セパタクローやフィールドホッケー、3x3、野球などヴェルディクラブ各競技の選手たちが体験会を開催。
ファンも楽しそうに選手との交流を行っていた

 8月26日に発表されたプレスリリースでは、まず両者が連携協定を結んだ目的と協力事項について下記の内容が発表された。

【連携協力の目的】
アイスホッケーの普及、強化など競技活動の充実を図るとともに、連携事業を積極的に推進し、
アイスホッケー競技の振興に寄与することを目的とする。
【連携協力事項】
1.アイスホッケーの普及を目的としたトップリーグ試合の開催
2.小、中学生、高校生を対象にした競技力の向上事業の実施
3.その他、前条の目的を達成するために必要な事項

 上記を「東京」で行うことが重要とフリーブレイズは考えていることがうかがわれる。また、同時にもう一つフリーブレイズからのプレスリリースが発表されている。こちらは東北フリーブレイズが、2024ー25 シーズンよりホームタウンの変更を行ったことを知らせる内容だ。それによると、

「東北フリーブレイズは2024ー2025シーズンより、チーム創業地として福島県郡山市を「Founding
Town(創設のまち)」とし、ホームタウンを青森県八戸市、ならびに東京都とさせていただき活動して
いくこととなりました。」とありその横には(参照:アジアリーグ規約第28条https://asiaicehockey.com/regulation)との記述もある。アジアリーグ規約の第28条は以下の通りだ。

第28条<チームのホームタウン(本拠地)>
(1)チームはホームタウン(本拠地)を登録しなければならない。
(2)チームはホームタウンの区域内に試合場・練習場を確保しなければならない。
(3)チームはホームタウンにおいて、地方公共団体・地域団体等と密接に連絡・協力し、アイスホッケーの普及および底辺拡大に努めなければならない。

 フリーブレイズは同プレスリリース内において、「東北フリーブレイズは、これまで同様、八戸市/青森県の地域一体型のプロスポーツチームとして、地域に根差した地域貢献活動並びにアイスホッケーの振興・強化のための活動を、八戸市を拠点としてさらに進化・発展させてまいります」とし、さらにこの八戸市での活動に加え、ヴェルディクラブとの連携をもとにこの実績を踏まえて公益財団法人東京都アイスホッケー連盟との連携協力協定締結で、さらに東京都から波及効果の高い活動を行ってまいります、としている。
⇒プレスリリース全文は下記リンクにて確認できる
「東北フリーブレイズホームタウンについて」https://freeblades.jp/40725/

「東京都アイスホッケー連盟との連携のお知らせ」https://freeblades.jp/40732/

昨年2月の試合ではヴェルディクラブとコラボした緑基調のスペシャルユニフォームでフリーブレイズは試合を行った

なぜ、いまフリーブレイズ&都ア連の「連携協力協定」発表に至ったのか?

 チーム名に「東北」と入っているチームがなぜ都ア連と連携するのか、疑問に思うファンも多いだろう。その点も含めてIPJは質問状を東北フリーブレイズに送り、回答を頂いたのでその内容に沿ってご紹介したい。

 関係者への取材を行うなかで、ファンにチームがお伝えしたいという内容としては、
・チームとしてはあくまでも八戸のチームとしての活動を行っていく(2022年に青森県アイスホッケー連盟と連携協定を締結済)
・そのうえでアイスホッケーの普及・振興という観点で東京での活動が必要ということで、今回の連携協定協力締結とホームタウンの変更、ということになった。
・郡山市との関係も変わらず良好で、今後も継続し普及・強化活動には協力いただく

地元紙「福島民友」による記事>https://www.minyu-net.com/news/detail/2024082709060226059
・フリーブレイズの東京での活動も、これまで2年継続して東京ホームゲームを開催しており、この実績を踏まえ、東京/首都圏のみなさんにアイスホッケー観戦を楽しんでいただけるよう、前向きに受け取ってほしい
という各点だった。

2023年の東京ホームゲームでは試合後に子どもたちと選手がふれ合う体験会イベントも開催された

東北フリーブレイズへの質問とその回答

それではIPJの質問とそれに対するフリーブレイズ側の回答をお伝えする。(※回答はアジアリーグ開幕前に返信いただいている)

1)このタイミングで都連との連携に至り発表となった理由は何かありますか? 
理由はございません。東京都アイスホッケー連盟様の正式な手続きを経て連携協力協定について承認していただき、双方の調整にて調印式開催の日時を決定しました。

2)来季以降、東京でのフリーブレイズホームゲームは増えるのですか? 何試合ぐらいかという構想がありましたらお教え下さい。また(東京湾岸地区)辰巳にできる予定のスケートリンクでのホームゲームは考えていらっしゃいますか?
現時点では何も決まっておりません。郡山市でのホームゲームはシーズン中1シリーズの開催でした。来季のリーグスケジュールとリンクとの調整との中で決定していきたいと思っております。東京辰巳アイスアリーナでの開催については、今後の検討となります。

3)東京ワイルズと今後試合をおこなう予定またはそのほか交流の可能性はありますか?
現時点ではアジアリーグが開幕するため、どのチームともアジアリーグ以外の試合をする予定はありません。

4)練習も一部は東京で行い、ファンに公開するご予定はありますか?
東京ホームゲーム開催に伴った練習の公開は考えていきたいと思いますが、チームスケジュールとの調整になりますので、未定となっております。

5)ジュニアへの普及に向けて東京で具体的に行う予定の企画などありましたら教えてください
(クリニック、交流会など)
これまでも、東京ホームゲーム開催に合わせたアイスホッケークリニックの開催、ジュニアチームのホーム戦招待やエスコートキッズ、試合後のスケート、アイスホッケー体験会など行っておりますので、継続・拡大して行っていきたいと思います

6)来季以降郡山での試合開催は考えていらっしゃいますか?
観客席の問題がありますので、公式戦は難しいというのが現状です。公式戦以外の形で郡山市のみなさんに還元できるよう考えていきます。

(追記)
 また東京ワイルズ側にも取材を行ったところ、ワイルズもこの動きはポジティブに捉えており、今後ぜひ良い形で手を携えることができたらというニュアンスだった。アイスホッケー界全体の発展に向けてさまざまな施策が花開くことを期待したい。



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