前年6位から優勝へ駆け上がる。山本キャプテンもパフォーマンスに自信

取材・文・写真/アイスプレスジャパン編集部

東北フリーブレイズが7/3(月)、ホームリンク・FLAT八戸にて氷上練習を開始した。IPJ編集部は練習2日目となる7/4に八戸を訪れ、若林クリスGMと山本和輝(やまもとかずき)キャプテンに話を聞くことができた。以下、レポート形式でお伝えする。

若返りを果たしたチーム。新加入選手が生み出す勢いに期待

FLAT八戸のリンクには、新入団選手はじめ若さあふれる選手たちの声とスケートで氷を削る音が響き渡っていた。練習2日目となった7/4の氷上練習は朝8時30分からおよそ1.5時間。久々の氷の感触を確かめるように選手たちは練習メニューに集中して取り組んでいた。

やはり氷上練習を見ていて一番伝わってきたのは、若手選手のイキの良さ。
小原大輔(おばらだいすけ)や橋本三千雄(はしもとみちお)などベテラン勢も若手と一緒のメニューをこなすなど今季に賭ける意気込みが伝わってきたのも嬉しかったが、石田陸(いしだりく)と安藤永吉(あんどうえいきち)という2人のルーキーもすでにしっかりとチームに馴染んでいる様子もかいま見え、頼もしい。


また、横浜グリッツから移籍してきた松淵雄太(まつぶちゆうた)、川村一希(かわむらかずき)、矢野倫太朗(やのりんたろう)、アイスバックスから移籍の渡邉亮秀(わたなべあきひで)といったメンバーからもキレのある動きが見られ、しっかりしたオフを過ごしてきたことがうかがえた。選手たちは全体練習が終わった後も各個人の課題に取り組んでベースとなるスキルの向上に余念がない様子だった。

また、新加入の選手を集めて山田淳哉(やまだじゅんや)がコーナーのほうを指さして話しをしている様子はこのリンクならではのパックの動きや跳ね方を伝授していたのかもしれない。山田の説明に真剣に聞き入る新加入選手の表情が印象的だった。

氷上練習が終了しても間髪入れず陸上トレーニングがリンク前の広場でスタート。フリーブレイズの選手たちは青空のもと、しっかりと汗を流していた。

陸トレが終わった後に、山本和輝キャプテンに話を聞くことができた。

「チームの選手も大きく変わりましたし、チームを1から作り直しだ、というところもあると思いますので、今季は新しい様々なチャレンジができるとワクワクした気持ちです。初日の練習からみんなコミュニケーションも良く取れていましたし、良いシーズンになるだろう予感はあります。若手中堅が増えていますが、彼らにはもちろんプロ意識を持って取り組んで、自分の仕事をしっかりと見つけてほしいと思います。

目標ですが、優勝はもちろんですがそれだけではありきたりなので。プレーオフは上位2枠ですがそれに食い込める力を持ったチームになっていると思いますし、開幕までの2カ月はコミュニケーションをより深めてやっていきたい。間違いなく今季は優勝のチャンスがあると思います」

力強い言葉だった。

プハルスキ新監督は7/16に合流

この日は若林クリスGMが練習メニューを組み指導にあたっていた。グレッグ・プハルスキ新監督は7/16の練習から合流予定。またポーランドから加入予定の新外国人2名、ボイバン・アレクサンダー、デュピィ・ジョンについては手続きが整い次第の合流となる。それまでは若林GMがプハルスキ新監督と密に連携を取りながら、目指すチームの方向性にそってベースを造りあげていくとのことだ。

「戦うからには頂点を目指す」若林GM

今季のフリーブレイズが目指す目標などについて若林GMに伺った。

「特に中堅どころの選手が入団し今いる選手も大きな刺激を受けていますし、彼らが入ったことでバランスの取れたチームになったと思います。戦うからには頂点を目指します。とはいえ新監督と話しているのは、結果だけにこだわるのではなくその先も見据えたチームにしていこうと。昨季もすべての試合ではないですが、良い内容で戦えたという手応えのある試合も多かった。その点は新監督とも自信として今季に繋げられる部分だと話しています」

――今季の戦い方は?

「得点力がずば抜けた選手がいるかと聞かれれば、そうではありませんが、守りをしっかりとしながらもチャンスをしっかり決めていけるチームを目指しています。引いて守る、というのではなく基本的にアグレッシブな態度で、パックを奪われてもすぐに取り返して早い攻撃へと繋げられるような、攻撃的な守りをしていきたいと思っています。

新加入の選手については能力面もさることながら、情熱があり、一生懸命プレーして最後まであきらめない、というプレイヤーだと思っています。ルーキーの2人も非常に良いものを持っており期待しています」

また、若林GMによれば、ようやくコロナ禍が落ち着いたことで地元企業や自治体との連携も徐々に再開されているとのこと。フリーブレイズではそういった社会貢献、地元への貢献活動もより積極的に行っていくほか、昨年からスタートした現役選手向けのキャリア開発プログラム「キャリアデザインプロジェクト」も継続し、より内容を充実させていく計画だ。

昨季はリーグこそ最下位の6位という結果だったが、1発勝負の全日本選手権は見事に優勝を果たしたフリーブレイズ。アジアリーグ覇権奪回へ向けて、充実の夏にする。


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